6日目
早いもので実釣最終日だ。朝の小物釣りに向かう際、夜明けの空に大きな満月が輝いていた。
夜明けの空に輝く大きな満月
この日の朝の釣りはKJ氏もルアーで参戦見事にピラニアをゲットしていた
この日の午前中はKM氏が同船し、釣りの様子をビデオ撮影することになっていた。快晴で絶好の撮影日和だった。この日も上流部へ向かった。
上流のポイントを目指してボートを走らせる
移動中の船上の様子ビデオ撮影で同行したKM氏が撮影してくれた
昨夕ドラードをキャッチしたポイントで釣り始めた。実のところ、ビデオが回っていると意識してしまう性質である。つい格好良く釣りをしようと肩に力が入ってしまうのだ。
釣り始めてすぐにアタリがありフッキングはうまくいった。はずだったが、ファイト中にバレてしまった。一連の動作がビデオを意識しすぎて少し遅れがちだったようだ。これがケチの付き始めとなった。
この後はフライでもルアーでもバラしの連続だった。その様子を見てKM氏もアルフレッドも笑いながら頭を抱えていた。9時半を過ぎても1匹もキャッチできていなかった。見かねたKM氏の発案で移動中にトローリングを始め、小型のドラードをなんとか1匹キャッチすることができた。
この日は絶不調バラシの連発だった
仕方ないので移動中もトローリング
なんとか一匹キャッチできた
バッシンヘブンのKM氏今回の釣行では大活躍だった
時刻は10時を過ぎていた。午前中の釣りはこの魚で終わるのだろうと思った。しかしアルフレッドが配慮してくれて、もう一か所のポイントを釣ってから帰ることになった。
そのポイントでも立て続けに3匹フッキングミスをしてしまった。4匹目の魚はフッキングが決まり手元まで寄ってきた。セルフランディングしようとネットを差し出し、魚を納めた。と思ったら、魚がネットの底に空いていた穴から抜け出てしまった。慌ててネットを反転させてネットインさせようとした。すると今度は手元が緩んでネットを流してしまった。こうなるとKM氏もアルフレッドも大爆笑だ。幸いフックは外れていなかったので魚とネットを船縁まで慎重に寄せてアルフレッドにランディングしてもらった。まるでコメディー映画のワンシーンのような出来事だった。
終了時刻過ぎまで粘って最後にやっとフライで釣れたこの魚のランディングも大騒動だった
かわいい顔をした魚だったこの日の昼食後の小物釣りにはKM氏、KJ氏とH氏もやってきた。日頃は大型魚を狙っている大人4人が、１本の述べ竿を順番で使いながら掌にも満たない大きさの魚を釣って大はしゃぎした。同じ趣味を共有できる仲間がいて本当に良かったと思える瞬間だった。
すっかり日課となった午後の小物釣り延べ竿の釣りも楽しい
小さな魚を釣って大はしゃぎするKM氏
ルアーを投げていたKJ氏も参戦あっという間に釣り上げて余裕の表情だ
H氏は大物（？）ゲット大喜びだった
竿を肩にかけてポーズを決める延べ竿を持って行ってよかった！
午後は下流部へ向かった。初日にチャフォロテを釣ったポイントでまたチャフォロテがヒットしたがネットイン寸前にフックが外れてしまった。その後はフライへの反応が芳しくない時間が続いた。ルアーではKJ氏のフロッグで60cmオーバーのドラードをキャッチすることができた。このルアーはフッキングの悪さとアシストフックの耐久性が課題だったのだが、太めのワイヤーを使って大型のフックをぶら下げるスタイルにすることを思いつき、それを試してキャッチできた1匹だったので喜びが大きかった。
最後の釣りに出発する
KJ氏のフロッグパターンで釣った良型のドラードアシストフックの改良が奏功した
太った良い魚だった
この角度で見るとトラウトに体形がよく似ている一方、フライではなかなかアタリが出なかった。昨日の雨の影響でドラードの活性が下がっているようだった。19時近くなってやっと小型のドラードをキャッチすることができた。
狭い水路を突破するアルフレッド風でホテイアオイが流されて状況が毎日変わる
やっとフライにドラードがヒットした
サイズは小ぶりだがとても嬉しい日没が近づき辺りが薄暗くなってきた。開けた水面と水路が浅瀬でつながっているポイントにアルフレッドがボートを停めた。時間的に考えてここが最後の釣り場だろう。悔いを残さないようしっかり釣ろうと心に決めた。
水は正面の浅瀬から右手方向に流れていた。浅瀬に向かってキャストし、右手方向への流れに乗せてラインを送り出そうとした瞬間、水面に波紋が広がりラインが引き延ばされた。着水直後のフライに魚がアタックしたのだ。多少慌てたがなんとかフッキングすることができた。かかった魚は何度もジャンプして派手に抵抗したが、うまく対応してキャッチすることができた。これまでで最大サイズの65cmのドラードだった。夕日に輝く黄金色の魚体がとても美しかった。時刻は7時30分を過ぎていた。もうロッジに戻る時間だ。よいフィナーレを飾ることができた、と思った。
浅瀬で良型とファイトする楽しい瞬間だが内心はヒヤヒヤしている
65㎝のドラード夕日を浴びた魚体が美しい
こうして撮影すると鮭のようにも見える
魅力あふれる魚だしかしアルフレッドは帰るそぶりを見せなかった。次の魚を狙えと促してきた。浅瀬に向かってキャストしたらフライを沈めずにすぐリトリーブを始めろと釣り方を指示してきた。言われた通り、浅瀬に向かってキャストしてすぐにリトリーブするとフライの後方の水面が盛り上がった。フッキングには至らなかったがこの浅瀬に魚が集まっていることがよく分かった。浅瀬のあちこちでボイルが始まっていた。トラウトフィッシングで言えばイブニングライズの時間帯なのだろう。
キャストするたびに魚の反応があった。その後立て続けに2匹のドラードをキャッチすることができた。その次にかかった魚はとても良く引いた。この魚も65㎝あった。フライがすっかりボロボロになってしまった。フライを交換する時間がもったいなかったので、ロッドを換えて釣り続けた。いつの間にかKM氏の乗ったボートが近くにいてビデオを回していた。この魚も65cmあった。さらにもう2匹釣ったところで、さっきまで騒々しかった水面が静かになった。ドラードの捕食タイムが終わったのだろう。20分ほどの間に6匹のドラードをキャッチすることができた。夢のような時間だった。ロッジに戻っても興奮がなかなか収まらなかった。
再びキャストするとすぐにヒットした
水面はボイルだらけになっていたフライをキャストするたびにドラードがアタックしてくる
素早く撮影して次の魚を狙う
今度の魚は引きが強かった
水面を割って姿を現すファイト中にこんなに何度もジャンプする魚はドラードだけだろう
この魚も65㎝あった
ロッドを換えてキャッチしたドラード予備のロッドがあってよかった
KM氏が撮影してくれたビデオのワンシーンビデオはこちら
わずか20分で6匹釣れた夢のような時間だった
暗くなりかけた湿原をロッジに戻る有終の美を飾ることができた
