8日目～帰国
いよいよ釣行最終日だ。右手は掌にたくさんマメができ、筋肉痛や疲労で力が入れにくい状態だったが、最終日まで無事に釣りができたことが嬉しかった。この日も悔いのない一日にしようと心に決めて釣りに臨んだ。
この日は日曜日で湖にボートが増えることが予想されたので、早めに釣りを始めて早めに上がることにした。5時にホテルを出発して釣り場に向かい、まだ暗いうちにボートを湖に降ろした。
この日は暗いうちから湖に出たこの日はナマズポイントには立ち寄らず、最初から上流部を目指した。上流の立木の多いエリアでキャットフィッシュを釣ってこの日の釣りをスタートさせた。その後は前日までと同様にサザンサラトガのサイトフィッシングを始めた。この日はなかなか魚が見つからなかった。やっと見つけた魚もフライを咥えてもしっかりとフッキングしなかったり、サザンサラトガを狙って投げたフライにキャットフィッシュが飛びついてしまったりしてキャッチすることができなかった。
釣り場についてもまだ薄暗かった
この日もファーストキャッチはキャットフィッシュだ
サザンサラトガを求めて上流のポイントを目指す
ポールに借りたフライで良型が釣れたこのサイズをトップで釣るととても楽しい
サラトガ狙いで投げたフライをキャットフィッシュに横取りされたこの日はキャットフィッシュの活性が高かった
しかし、キャットフィッシュは好調だった。午前中だけで4匹キャッチすることができた。沈めるフライでは、とても重たい60㎝の良型魚が釣れた。
60㎝の良型キャットフィッシュ
コンディションの良いファイターだった昼近くなると湖面を行き交うボートの数が増えてきた。この湖では釣り以外に水上スキーも盛んにおこなわれている。ボートの往来が増えるとボートが立てる波で岸際に濁りが生じてしまう。サザンサラトガを狙うには厳しい状況だ。
湖の一角に蓮が群生していたあの下にもたくさんの魚がいることだろう
湖上で記念撮影毎度のことながらガイドに世話になりっぱなしだ
この日の昼食手前はチキンカツバーガー
ものすごいボリュームだった(笑)
そこで昼食後はインターミディエートティップを使ってフライをしっかり沈め、キャットフィッシュをメインで狙うことにした。ナマズポイントの対岸の、これまで竿を出していなかった水深のあるエリアを狙うことにした。風が強くなってきたがインターミディエートティップなのでキャスティングが楽だった。キャストの後、フライをしっかり沈めてからゆっくりリトリーブしてくると、グッとラインが抑え込まれ、そのまま強いトルクでラインを引き出されるアタリが連発した。水深のある場所でかけた魚は浅場でかけた魚より抵抗が強かった。キャットフィッシュとのファイトを堪能した。
水深のあるポイント良型のキャットフィッシュを狙うには最適なポイントだ
フライをしっかり沈めて釣ったキャットフィッシュ午後はナマズ祭りだった
口元にはヒットパターンのコーンヘッドウーリーバガーが見える光り物が付いたフライが良く釣れた
釣れる魚はどれも50㎝クラスだったこのポイントで3匹目にかけた魚は今までとは比べ物にならない力強さだった。ボートの真下に潜り込まれ、9番ロッドが折れるのではないかと思うほど絞り込まれた。アマゾンで釣ったブラックピラニアを彷彿とさせるほどの力強さだった。良型魚であることは明らかだった。時間をかけて慎重にファイトすることにした。数分後にボート際まで寄ってきた魚体は今まで見たことがない大きさだった。ランディングしてメジャーを当てると67㎝あった。この大きさにはポールもなかなか釣れるサイズではないと驚いていた。
今までの魚とは引きの強さが明らかに違っていたブラックピラニア並みのトルクだった
67cmのキャットフィッシュお腹周りの太さも立派だ
キャットフィッシュ専門で狙っても楽しい釣りができそうな気がする
拳が簡単に入ってしまう口の大きさだ上部にはコーンヘッドパターンが見える
次のアタリは逆にとても小さく、魚の抵抗感も弱いものだった。ラインを手繰ると水面に銀色の魚体が姿を現し、そのまま勢いよく水上に飛び出した。空中でフックが外れたが、ラッキーなことに魚はボートの中に落ちた。釣れた魚は海水魚としか思えない姿形だった。サヨリに似ていたが、よく見ると嘴に細かい歯がたくさんついていた。ダツに近い種類のようだった。フレッシュウォーター・ロングトムという名前の魚だとポールが教えてくれた。生息数は少なくないが口が細いので針掛りしにくく、キャッチするのは難しい魚だと喜んでいた。
フレッシュウォーター・ロングトム思わぬ珍客がやってきてくれた
これが純淡水にいるとは信じがたいその後もキャットフィッシュの釣りは好調だった。15時に釣りを終えるまでにさらに2匹キャッチすることができた。結局この日はサザンサラトガは釣れなかったが、キャットフィッシュを9匹、フレッシュウォーター・ロングトムを1匹キャッチすることができた。3日間の合計ではサザンサラトガ3匹、キャットフィッシュ21匹、フレッシュウォーター・ロングトム1匹という十分な釣果を得ることができた。15時に釣りを終え、15時半にベッドフォードウェアを後にしてホテルに戻った。
このキャットフィッシュもよく引いた持ち方も上手になった！？
ボートランチに向かいながら途中のポイントでも竿を出してみた
最後のポイントでもややキャットフィッシュが釣れた
釣りを終えてボートランチに戻るこの釣り場でも良い釣りができた
水を飲みながら運転するポール毎日朝から晩までしっかりガイドしてくれた
釣り場を去る道で想う次はいつこの大地で釣りができるのだろうか
翌朝7時にポールがホテルに迎えに来た。今日はもう釣りに行くのではない。空港まで送ってもらうのだ。彼の手には彼のカメラで撮影した画像のデータが記録されたCDがあった。それを受け取り、手荷物の中に大事にしまってポールの車に乗り込んだ。帰路は大きなトラブルもなく順調だった。2月28日の早朝、11日間の釣行を終えて羽田空港に無事に帰着した。
自宅に戻ってすぐにポールからプレゼントされたCDの画像を見た。そこにはサザンサラトガを抱えて満面の笑みを浮かべる自分の姿があった。自分でも驚くほど嬉しそうな表情を浮かべていた。その喜んでいる自分の姿を見て、つくづく僕は幸せ者だと思った。
