翌日も５時にチェックアウトを終えてホテルを出発し、ＩＴレイクモンスターズに向かった。この日が今回の釣行の最終日だ。釣りを終えたらそのまま空港に向かうことにしていた。途中、道が少し混んだので釣り場に着いたのは７時前だった。
この釣り場は原則予約制だ。管理人によると、この日は他に予約は入っていないとのことだった。終日貸し切り状態となった。
この日の朝食はコームーヤーン（豚喉肉の炭火焼）とカオニャオ（餅米）連日弁当を作ってもらうのは恐縮なので、スメットに市場で買ってきてもらった
この日は朝から絶好調だった。撒き餌をほとんどしなくても、フライに頻繁に反応があった。極端な時は、一匹釣りあげ、キャストするために足元にフライを垂らしてラインを引き出している際に魚がかかることもあった。
二日も釣っていると、アタリやその直後の魚の動きで魚種が大体わかってくる。大きく首を振るようなファイトはガー、ゆっくりと重たくラインを引き出していくのはレッドテールだ。
この日の一匹目はメーターサイズのガー細長い魚だが、結構重たい
こちらは赤みの少ないレッドテールキャットフィッシュこの魚は個体ごとに体色が違うので釣っていて楽しい
釣り始めて二時間ほど経ったとき、ピックアップしようとした瞬間に魚がヒットした。フッキングした魚は対岸めがけて走り始めたが、その感じが今までかけた魚とは異なるものだった。重たいがスピードもあり、時折体をくねらせるような動きも伝わってきた。
バッキングラインは１００メートル巻いてある。今向かっている方向なら対岸まで行かれてもラインが足りなくなることはない。そう楽観的に考えていたが、バッキングが半分ほど出たところで、ラインがリールから出なくなってしまった。昨日から何回もラインを出されたり巻いたりしているうちに、ラインの巻き込みにトラブルが出てしまったようだ。ロッドの弾力を最大限使って魚の動きを抑え、かろうじてラインブレイクを免れた。
それからもなかなか向きを変えない魚を何とかコントロールして距離を縮めた。フライラインの半分くらいを巻き取ったところで魚が水面近くで反転した。長い魚体とオレンジ色の鱗が見えた。ピラルクーだった。大声でスメットと管理人を呼んだ。
手元近くまで寄ってからも魚の力は強く、なかなか思い通りにはコントロールできなかった。ランディングも魚体が重くてなかなか水面まで浮かせることができず、かなりてこずったが管理人が巧みにネットに納めてくれた。
魚を弱らせないためと、写真を撮る間に魚が逃げないようにするために、池の中に生簀をこしらえ、そこに釣り上げたピラルクーを入れた。
僕も池に入り、ピラルクーを抱き上げて写真を撮ってもらった。念願の叶った瞬間だった。
釣り上げたピラルクーは１５０センチメートルほどの大きさで、この池のピラルクーとしてはごく平均的な大きさの魚だったが、喜びはとても大きかった。
２０分近いファイトの末、無事ネットに収まったピラルクースメットが池に入って生簀を組み立ててくれている
ピラルクーを抱き上げて記念撮影至福の瞬間だ
とはいえ、魚は重たいしなかなか言うことを聞いてくれない
伸びきった全身を撮りたいが、なかなか難しい腕に伝わる重さや魚体の感触は釣り上げた者しか味わえない
スメットも加わって記念撮影彼にはいつも世話になってばかりだ
ピラルクーの顔のアップどこか爬虫類を思わせる風貌だ
その後もフライへの反応は驚くほど良かった。普段は黒いフライ以外で反応が悪いのだが、この日はサイズさえ大きければ、色はあまり関係なく魚が反応した。フライではなかなか釣りにくいペクーもフライでキャッチすることができた。
レッドテールキャットフィッシュを釣り上げてポーズ今回はロッドをくわえるこのポーズがマイブームだった（笑）
青いストリーマーをがっちりくわえた魚普段は黒以外には反応が乏しいのだが、この日は何色でも反応があった
フライで釣れたペクーこの魚がフライに反応するのは珍しい
釣れ続いたため、昼食は１３時過ぎてからとることになった。カオパッド（炒飯）で腹を満たし、少し休憩して餌釣りタイムに突入した。
昼食はカオ・パッド（炒飯）こうした普通のタイ料理が一番おいしい
この日は餌釣りも絶好調だった。餌を投げ込むと１分と経たずにアタリがあった。この管理釣り場ができた時から通っているスメットも、こんなに釣れるのは初めてだと驚いていた。前日はフライロッドで餌釣りをしていたが、ファイトの時間がかかり過ぎるのでこの日はスピニングタックルを使った。おかげで魚とのやり取りは格段に楽になった。
この日の餌釣りはスピニングタックルを使ったファイトの容易さではこちらに分がある
見物していた人が記念撮影に飛び入りあまりに立て続けに釣れるのでびっくりしていた
セルフランディングに挑戦ネットが重たいので一苦労
ラストフィッシュはガーこの日は記録的に良く釣れた
この日は１６時半に釣りを終えるまでに、おそらく４０匹以上の魚をキャッチしたと思う。正確な数は全く覚えていない。それほど良く釣れた。
釣りを終えて、管理人にビールをおごり、二人で乾杯した。
全身の疲れがとても心地よかった。
釣りを終えてシャワーを浴び、管理人とビールで乾杯最高の釣りができた
