４日目
この日はホテルをチャックアウトしてからメコンオオナマズを釣りにブンサムランに出かけ、そこから空港に直接向かうことにしていた。ホテルから釣り場まで近いこともあり8時に出発した。
昨日までの3日間、釣果にムラはあったが大型魚をたくさん釣ったので、身体中の筋肉には疲労がかなり溜まっている状況だった。体力の衰えを感じつつも、釣りだけに没頭して時間を過ごせる喜びにも浸っていた。ブンサムランでも体力の続く限り大型魚とのファイトを楽しもうと意気込んだ。
釣り場まではホテルから30分ほどだった。ここも通い慣れた釣り場なのでホームグラウンドに帰ってきた気分だった。ただ、釣り場の雰囲気が今までとちょっと違っていた。全体にくたびれた感じなのだ。池も水位が下がり水質も悪くなっているようだった。スメットに尋ねると、別の場所に移転する計画があり、メンテナンスや水の入れ替えをやめたのではないかということだった。最近では池の周囲が宅地化が進んでおり、ここで釣り場を続けるのが難しくなってきたのかもしれない。もしかするとこの日がこの池で釣る最後の日になるのかもしれないと思った。
ブンサムランの入り口内部は少々くたびれた感じだった
入口の脇には巨大なメコンオオナマズの模型があった弁当作りのためにスメットの奥さんに昨日まで3日連続で早起きさせてしまったので、この日の朝食はスメットに屋台でサテ（ヤキトリ）と餅米を買ってきてもらってそれを食べた。これはこれですこぶる旨かった。
この日の朝食サテと餅米の組み合わせもテッパンだ
この日は日曜日だったが朝の段階では釣り人の数は少なめだった。そのおかげもあり魚の反応は良好だった。釣り始めて5分くらいでアタリがあり、この池ではやや小ぶりなプラースワイ（ストライプドキャットフィッシュ）が釣れた。その後も数投に一回のペースでアタリが続きメコンオオナマズやプラースワイがヒットし続けた。
釣り場の様子朝のうちは釣り人が少なかった
餌はパンの耳を湿らせて団子状にして使うこの団子作りが意外と難しい
団子を投入したら置き竿でアタリを待つアタリは突然出るので投入後は気が抜けない
ファーストヒットは小ぶりなプラースワイだった
魚の引きを耐えながらファイトする疲れるが楽しい時間だ
メコンオオナマズ気軽に狙える魚ではおそらく最も引きの強い魚だろう
プラースワイは引きがそれほど強くない（と言っても全身を使ってファイトしないと魚をコントロールできないトルクではある）が、メコンオオナマズがかかると、百パーセントの力を出せない腕や腰の筋肉の状態では、魚をコントロールすることが容易ではなかった。近くまで寄せてきた魚に小屋の下に潜りこまれてしまうことも多かった。こうなるとランディングするは容易ではない。仕掛けを何度も切られてしまいスメットには迷惑をかけてしまった。
魚をコントロールしきれないと小屋の下に潜られてしまうこうなるとキャッチするのは難しい
そんなボロボロのコンディションでも、昼前には155ｃｍの良型のメコンオオナマズを何とかキャッチすることができた。抱きかかえて写真を撮ろうと思ったが腕に力が入らなくて情けないポーズになってしまった。
大物と懸命にファイトする全身を使ってロッドを支えないと持って行かれそうになる
やっとのことでキャッチしたメコンオオナマズ155cmある大物だった
ファイトで疲れてしまい抱きかかえようとしたが無理だったその後も休憩を多めにとりながら釣りを続けたが、昼食後はさらに腕に力が入らなくなってきた。アタリが頻発するのは嬉しかったが、体力は限界に近かった。ファイトを始めた瞬間にかかった魚の種類は大方見当がつくのだが、プラースワイだと安堵し、メコンオオナマズだと正直少しうんざりした気分になった。
昼食のカオパッドムー（豚肉の炒飯）ライムとナンプラーをかけて食べるのが地元の食べ方だ
この日はフライト時刻も考慮して18時頃まで釣りをする予定だった。しかし、そんな気分で釣りを続けるのも良くないと思い、16時過ぎで釣りを切り上げることにした。釣り場でシャワーを浴び、ゆっくり帰り支度を整えて空港に向かった。
この日のラストフィッシュもしかすると僕がこの池で釣った最後の魚になるかもしれない
空港には18時前に到着した。チェックイン開始までかなり時間があったので長めにフットマッサージを受け、さらにゆっくり夕食を摂ってから帰国の途に着いた。
空港で受けたフットマッサージとても気持ち良かった
パッタイこれも大好きなタイ料理だ
帰りの機内では、釣りの疲れもあり着席してすぐに熟睡してしまった。体力の限界まで釣りを楽しんだ充実した4日間だった。
