２０１１年秋イタリア食い倒れ旅行記

201１年秋　イタリア食い倒れ旅行記（９）

最終日（フィレンツェ～帰国）

いつも思うことだが、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。ついに最終日となってしまった。フィレンツェのペレトラ空港を１５時前に出発する飛行機に乗らなければならないので、街中にいられるのは午前中だけだ。
７時過ぎにホテルを出て朝のフィレンツェを散策した。日中の残暑はきついが、朝夕は気温が下がる。少しひんやりとした空気の中、アルノ河の川縁や、対岸のオストラルノ地区をのんびり歩いた。日中は多くの人が訪れる観光名所も、この時間帯はまだ閑散としていた。橋のたもとではカワセミの姿も見ることができた。

		左：朝のフィレンツェの路地　　　古びた三輪自動車が街並みによく似合う　右：アルノ河沿いの道を歩く　　　秋のひんやりとした空気が心地よい
		左：朝日に染まるアルノ河対岸の教会　　　早起きしたものだけが見られる光景　右：朝のベッキオ橋から見たクーポラ　　　昼間は観光客でにぎわうこの道も　　　この時間帯は人通りもまばらだ

９時前にホテルに戻って息子と合流し、食堂に降りてヨーグルトを食べた。食堂には中世の宮殿を名残を思わせる美しい天井画が描かれていた。

　ホテルの食堂
　天井画は中世の宮殿だったころの名残だ

食後、ホテルを出て買い忘れた土産を買いにスーパーに立ち寄り、それから昨日も行ったドルチ・エ・ドルチェッツェに向かった。この日はランポーネと生クリームのタルトとレモンケーキを食べた。

　ドルチ・エ・ドルチェツェのレモンケーキとランポーネのタルト
　この店は何を食べてもおいしい

ホテルに戻り、帰り支度をした。シャケトラやワイン、その他の土産などで荷物はかなり重たくなった。チェックアウトし、ホテルに荷物を預けて再び街に出た。

　サンタ・マリア・ノベッラ広場
　教会の白と空の青のコントラストが鮮烈だ

　あまりに青かったので空を撮影
　画像のエラーではないので念のため

街を少し散策した後、早めの昼食にパニーニを食べに行った。息子がフィレンツェに住んでいたころ、一番良く通ったというパニーニ屋、アンティーコ・ノエ（L'antico NOE'）に連れて行ってもらった。隣接する同名のリストランテがやっているパニーニ屋だった。店頭の手書きのメニューが良い感じだった。焼き豚とチーズ、それに野菜を挟んだパニーニを注文した。出来立てのパニーニは驚くほどおいしかった。

　パニーニを買ったアンティーコ・ノエ
　地元客相手の小さな店だ

　パニーニは注文を受けてから丁寧に作る

　できあがったパニーニを頬張りながら歩く
　イタリアはこういうファストフードもうまい

最後にカラピーナで生チョコレートとアマレットのジェラートを食べ、イタリアの旅を締めくくった。最後まで食べた物はみなおいしかった。

　旅の締めくくりはカラピーナのジェラート
　今回はたくさん食べたが、全部おいしいものだった

１２時にホテルに戻り、フロントでタクシーを手配してもらった。タクシーは５分ほどでやってきた。このあとさらに一週間ほどフィレンツェに残る息子に見送られて空港に向かった。空港までは２０分ほどだった。少し心配していた荷物の重さも制限以下で、チェックインもスムーズだった。

　空港まではタクシーで向かった
　車種はトヨタのプリウス
　フィレンツェは環境への関心が高い街だ

　フィレンツェのペレトラ空港
　市内から近くて移動は楽だった

　パリまでの飛行機は翼が胴体の上にあった
　おかげで地上が良く見えた

１５時前にペレトラ空港を飛び立った飛行機は２時間ほどでパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着した。帰りも窓側の席だったのでアルプスやパリ市街の眺望を楽しむことができた。

　飛行機の窓から見たスイスアルプス
　10月上旬だったのでまだ雪はほとんどなかった

　こちらはパリ市街
　よく見ると凱旋門やシャンゼリゼ通りセーヌ川などが確認できる

シャルル・ド・ゴール空港でのターミナル間の移動もスムーズだった。１時間以上の余裕を持って成田便の出発ターミナルに着くことができた。搭乗まではロビー内の売店を探索したり、フランスの菓子を買ったりして過ごした。

　成田便の搭乗を待つロビー
　楽しかった時間が終わろうとしている

飛行機は定刻の１９時２５分にシャルル・ド・ゴール空港を離陸し、成田には翌日の午後無事に到着した。

帰国後、この旅行記を書いているときテレビから流れてきたある言葉が妙に腑に落ちた。
｢チャンスには限りがある｣
言われてみれば、ごく当たり前のことだ。しかし、僕の場合は普段はそれをあまり意識せず、次のチャンスを待とうとすることも多い。
最近年をとったと感じる場面が増えた。今回の旅行でも、体力や食欲が昔ほどなくなったことを実感させられることが多かった。これから先あと何年、旅行を思い切り楽しむことができるだろうか？
そう考えると、できるだけ早いうちに旅行に行くべきだと思う。これから先、チャンスをできるだけ逃さず、旅行に出かけられるときには旅行に行き、しっかり楽しんできたいと思う。
限りあるチャンスを有効に活かさなければ、待っているのは後悔の日々だけだ。