ＮＺ２００５年釣行記（７）

６日目〜帰国

　最終日になってしまった。この日の朝も曇りがちだったが雨の心配はなさそうだった。今回の釣行は天気に恵まれていた。
　この日はＲ川をボートで釣り下る計画だった。マリーはその前に１時間ほどＲ川を歩いて釣ろうと言う。ボートで釣り下るのに歩く必要があるのかちょっと不思議だったが、ポイントに案内されて疑問が解けた。普段ボートを降ろす場所より上流に絶好のポイントがあったのだ。
　車はボートを降ろす場所に続く林道から藪に覆われた脇道に入った。轍の跡がかろうじて残っているだけの荒れた道だった。しばらく進んだところで車を停め、さらに林の中を１０分ほど歩いた。

　林の中をポイントに向かって歩く
　ちょっとした探検気分

　到着したポイントは緩い流れのプールで、まさに一級のポイントだった。Ｈ氏が竿を出した。プールの中央部で掛けた魚はランディングできなかったが、流れ込みで良型のレインボートラウトをキャッチした。

　良型とのファイトを楽しむＨ氏

　Ｈ氏はこの日も良型を連発！

　少し林の中を下流に戻って再び川に降りた。ここは川岸沿いにかけ上がりの緩い流れが続く好ポイントだった。ここでは僕が竿を出した。下流側でレギュラーサイズのブラウントラウトを釣り、上流部では良型の美しいレインボートラウトをキャッチした。マリーのガイドはいつでも完璧だった。

　マリーのアドバイスを聞きながらポイントを攻める

　そして良型のレインボートラウトをキャッチ

　一旦家に戻ってボートを繋ぎ、再びＲ川に向かった。ボートの積み下ろしの手伝いもすっかり慣れた。手際良く支度して川に漕ぎ出した。

　ラフティングを始める前に記念撮影

　ラフティングでは、ボートの上から釣る場合とボートを降りて釣る場合がある。最初のポイントではＨ氏がボートを降りてトライし、良型のレインボートラウトをキャッチした。

　ラフティング開始早々Ｈ氏が良型をキャッチ

　次のポイントでは僕がボートの上からかけ上がりの底に定位している魚をサイトフィッシングで狙い、良型のブラウントラウトをキャッチした。このブラウンはかなりの老魚で、すでに５年以上このポイントにいるのだという。毎年何回も釣っているからすっかり顔なじみなんだとマリーが笑って言った。

　ずっしりと重たい老ブラウントラウト

　その下流ではＨ氏が良型のブラウントラウトをキャッチ

　昼食もボートの上で摂った。マリーが水辺からクレソンを採ってきてくれた。サンドイッチに挟むとさらに美味しい。こうした楽しさも今日で終わりかと思うと少し感傷的な気分になった。

　ボートの上で食べる昼食は格別

　この日は午後も好調さが続いた。昼食の後、停めてあるボートの周囲でＨ氏と二人並んで竿を出し、ほぼ同時にヒットした。どちらもグッドコンディションのレインボートラウトだった。

　昼食後すぐに良型のレインボートラウトをキャッチ

　ある中州のポイントでは上流部で良型のレインボートラウトがヒットし、下流では３０センチほどの魚が立て続けに５匹も釣れた。無心になって釣りを楽しんだ。

　鰭の伸びた綺麗なレインボートラウト
　この日は絶好調だった

　最後のポイントはマリーの牧場の裏だった。一つ上のポイントでフッキングさせ損なっていたので、このポイントの魚は必ずキャッチしたかった。より慎重にキャストした。ポイントの下流側では反応が無かった。釣れないまま終わるかもしれないという思いが頭をかすめた。いや、マリーがガイドするポイントには必ず魚がいる。すぐに思いを切り替えた。ポイントの上流部にキャストしたとき、マーカーが一気に消しこまれた。ラストフィッシュは逞しい魚体のブラウントラウトだった。

　最後のポイントでラストフィッシュをしっかりキャッチ
　この川の魚たちとも１年間のお別れ

　

　最終日の夜はいつも慌ただしい。会計を済ませ、荷物をまとめ終わるとすぐに短いベッドに入った。
　午前２時にマリーの家を出発した。深夜にもかかわらずマリーは見送りのために起きてきてくれた。来年の再会を約束して固い握手を交わした。
　４時間後、車はオークランド空港に到着した。外はまだ薄暗かったが空港内は旅行客で賑やかだった。

　早朝のオークランド空港