この日は晴れ間が見えたり土砂降りになったりする変わりやすい天気だった。
この日はＲ川の上流側をボートで釣り下ることにした。この区間のラフティングは５年ぶりだった。
上流のボートランチでボートを降ろした。出発前に車の移動を手伝いに来たマリーの息子のランスに３人の記念写真を撮ってもらった。こうした写真が僕の一番大切な旅の土産だ。
釣り始める前に３人で記念撮影こうした写真が僕の一番の宝物だ
川の様子は、ほとんど変わっていないところも大きく変わってしまったところもあって、ボートから川を眺めているだけで楽しかった。魚の反応も良く、同じポイントで何匹も釣れる事も珍しくなかった。すっかり勘を取り戻したＦ氏と二人で、たっぷり本流のニンフフィッシングを楽しんだ。
マリーの指示でポイントを攻めるＦ氏見るからに良型が着いていそうなポイントだ
マリーの読みはあたっていた
良型魚を見事にキャッチしたＦ氏鼻の曲がり始めたオスのレインボートラウトだ
ボートの上から釣ってキャッチした良型のブラウントラウト
こちらは丸々と太ったレインボートラウトこの日はなぜか僕には良型が、Ｆ氏にはレギュラーサイズが
釣れることが多かった
マリーに指示され、ボートを下りて川の中央の瀬を釣る流れが激しくて、立っているだけでも結構大変だった
この日の昼食はボートの上でとったサンドイッチとバナナとインスタントコーヒー
川で食べる食事はとりわけ美味しい！
昼食後、川に立ち込んで釣る二人見事にダブルヒット！
マリーに竿を持ってもらって記念撮影腰上までウェーディングして釣った執念の一匹
この日の最大魚大きさもさることながら、魚体の美しさもピカイチだった
サイトフィシングでブラウントラウトをキャッチしたF氏７年ぶりのＮＺを存分に堪能したようだった
イブニングはマリーがＲ川の上流のポイントに案内してくれた。今年はマリーの奥さんのリネットの仕事が忙しく、マリーが夕食後の片付け等を担当しなければならなかったので、なかなか一緒に行く機会を作れなかったのだ。しかし最終日くらいは一緒に行こうと時間を作ってくれた。
マリーの家から車で２,３分走り、さらに牧場の中を１０分ほど歩いて川に着いた。初めて竿を出すポイントだった。少し待っているとライズが始まった。流れが複雑でフライを狙った流れに乗せにくかったが、何回目かのキャストでライズしていた流れにフライを落とせた。フライがライズ地点を自然に流れると素直に魚が反応してくれた。レギュラーサイズのブラウントラウトだった。
イブニングにマリーと訪れたＲ川のポイント手前に白く写っているのは釣りについてきたクッキー
久しぶりの川辺が嬉しそうだった
この魚をリリースして、次のライズを狙った。次のライズはかなり手強かった。辺りも暗くなり、フライがほとんど見えなくなりかけたころ、やっとフッキングさせることができた。慎重にランディングすると、５０センチを超える立派な体躯のブラウントラウトだった。
記念の写真を撮影してもらおうとマリーにカメラを渡し、魚をネットから出そうとした瞬間、魚が暴れて手の中から逃げてしまった。僕としては珍しい失敗だった。
「あ〜あ、今回の釣りの最後の魚だったのに、逃げられちゃったよ」
悔しそうにマリーに言った。
「記憶に残ってるだろ・・・」
「たとえ写真がなくたっていいじゃないか。思い出は消えないさ」
マリーが優しく諭してくれた。
そういえば、最近は釣りを楽しむことより、その後の釣行記を書くために写真を残すことに一生懸命になっていた。今も魚が釣れたことを喜ぶより、写真がないことを悲しんでいた。
それでは本末転倒なのだ。
人に見せるためではなく、自分が楽しむために僕は釣りをしているのだ。
最後にマリーにとても大事なことに気づかせてもらった。
