２日目午後
午後はカタジュタの散策ツアーに向かった。カタジュタまではホテルからバスで１時間ほどだった。カタジュタの散策は炎天下を２時間以上歩くので水を２リットル以上持参するようにツアーガイドから指示があった。実際にツアー集合時に持っている水の量をガイドがかくにんしていた。
バスでホテルからカタジュタへ向かうしばらく走ると前方にカタジュタが見えてきた
カタジュタの散策コースは何コースか整備されているが、我々は風の谷の第２展望地、カリンガナ展望地までを往復する６ｋｍほどのコースを歩くことになっていた。歩き始めてすぐに暑さと顔にまとわりつく蝿の多さを実感した。日中の暑さは覚悟していたとはいえかなりのものだった。ガイドからは頻繁に水分補給を促す指示が出された。蝿は、日本でネットの記事などを読んで情報収集していた時は、みんな大げさに書いているのではないかと思っていたが、蝿の少ないはずのこの時期でも常に数匹の蝿が顔の周辺にまとわりつき、あまり心地よくはなかった。これが夏の蝿の多い時期になると、やはり蝿避けネットが必須なのだろうと実感した。
カタジュタの散策路の案内板我々はカリンガナ展望地までのルートを歩いた
先頭を歩くガイド念のため無線機を携行していた
服や顔にまとわりつく蝿不衛生な蝿ではないが心地よくない
第一展望地であるカル展望地までの道は高低差も少なく路面も良かったが、その先はアップダウンが激しくなり、足元も不安定な個所が多くなってきた。時々休憩して植物の説明などを聞きながら最終目的地、カリンガナ展望地を目指した。最後の上り坂が少しきつかったが、登り切って見えてきた景色には息をのむ素晴らしさがあった。全員で声も出さずにしばらくその絶景に見惚れていた。谷を渡る風の音も音楽のようだった。
間近に見上げるカタジュタの巨岩大きすぎて大きさを実感できない
道端にいたトカゲ色々な野生生物を見ながら進んだ
第一展望地の手前で来た道を振り返るかなり遠くに駐車場が見える
第一展望地から見た景色荒涼とした岩肌と点在する植物のコントラストがＳＦ映画の景色を思わせる
第一展望地から坂を下るこの辺りから足元が悪くなってきた
真赤な岩壁この世のものとは思いがたい色合いだ
岩肌の急斜面を登る後半は難所が続いた
最後の上り坂左右の岩の切れ目が最終目的地だ
カリンガナ展望地美しい景色と谷を渡る風の音にしばし無言で立ちつくした
青い空と赤い岩この地を訪れた者だけが見る色のコントラストだ
帰り道では野生のカンガルーを間近で見ることもできた。参加者一同大喜びだった。２時間半ほどかけて駐車場に戻ってきた時は、持参した２リットルの水はほとんど残っていなかった。駐車場からバスで少し移動してカタジュタ全体が美しく見渡せる場所に立ち寄ってからホテルに戻った。
カタジュタが一望できる駐車場
カタジュタの全景圧倒される迫力を感じる景色だ
夕食まではまだ少し時間があったので、エアーズロックリゾート内の展望地からウルルの夕景を楽しんだ。遠目に見えるウルルも美しかった。
リゾート内にある展望地夕暮れのウルルを見に多くの人が集まっていた
展望地から見たウルル夕日に染まって輝いていた
この日も夕食はホテルのダイニングでとった。リゾートを訪れる観光客の特性に合わせてあるのか、このリゾート内にはビュッフェスタイルのレストランやカフェが多く、着席して落ち着いて食事ができるダイニングが少ない。僕が泊まったホテルのレストランが唯一の落ち着いたダイニングだった。前夜、食事がおいしかったので会計時に翌日の予約を入れておいた。前日はチェックインと同時に予約を入れて席を確保したところ、夕方には満席の張り紙が出されていた。この日も夕方には満席の張り紙が出ていた。このレストランで食事をしたい場合は早めの予約が肝心なようだ。
デザートガーデンズホテルのメインダイニング、アングリグリル味もサービスも良いレストランだった
満席を知らせる張り紙早めの予約が必須の店だ
この日はオージービーフの骨付きのリブアイステーキを注文した。焼き加減も見事で文句なしのおいしさだった。担当ホールスタッフが選んでくれた赤ワインも肉によく合っていた。デザートのチョコレートムースもちょうど良い甘さで、かなりのボリュームだったがあっさり食べきってしまった。
オージービーフの骨付きリブアイステーキ焼き加減が絶妙だった
チョコレートムース暑いウルルで冷たいデザートは最高においしい
夕食後は星空を見に行くツアーに参加した。リゾートからバスで５分ほどの高台で満天の星を日本語の解説付きで観察した。日本では想像できないほどのたくさんの星が夜空に輝いていた。南十字星は地平近くで見にくかったが、さそり座や天の川、マゼラン星雲などが良く見えた。
星を見るツアーに向かうバス５分ほど走った展望地で３０分ほど星を見た
ウルルの星空実物はこの何百倍も素晴らしい
ここで印象的だったのはアナングの人々に伝わる星座の話だ。我々や欧米人は明るい星を結んで夜空に動物や身の回りの物の形をイメージし、星座としている。ところがアナングの人々は夜空の星の少ない暗い部分の形に注目し、大きなエミュー（オーストラリアに住むダチョウの仲間）が夜空に住んでいると考えた。この発想力に僕は敬服した。
