2008年夏 イタリア旅行記(2)


二日目の午前中は、申し込んだツアーにオプション設定されていた徒歩で回る市内半日観光ツアーに参加した。
集合場所のバルベリーニ広場まではホテルから1キロちょっと。歩いて向かった。まだ土地の感覚がつかめていないので、少々緊張して歩いた。
参加者は8名ほど。日本語堪能なイタリア人のガイドさんの案内で市内の教会や広場を見て回ることになった。
最初の目的地まではバスで移動した。ガイドさんがバスや地下鉄の乗り方を丁寧に教えてくれたので、後で役に立った。
最初に訪れたのは、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルバ教会。外観は町中の普通の教会に思えたが、中に入ってその荘厳さと美しさに圧倒された。特に青く輝く天井画は見事だった。最初から教会美術の素晴らしさを見せつけられた感じだった。

 サンタ・マリア・ソプラ・ミネルバ教会の内部
 天井画がとても美しかった


ナヴォーナ広場を廻ってから、次にサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会を訪れた。この教会はカラヴァッジオの教会画で有名だ。この教会画も素晴らしかったが、入り口近くにあったマリア像がとても美しかった。

 サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会にあるカラヴァッジオの「聖マタイの三部作」



 同じ教会にあったマリア像
 とても柔らかい表情が印象的だった


続いてパンテオンを観光した。パンテオンは2世紀ごろに建てられた古代ローマの神殿で、今はキリスト教の教会となっている。石造りの巨大な建造物の迫力に圧倒された。

 パンテノンの正面
 2000年近く前に建てられた建物がいまだに使われていること自体が驚きだ


 パンテオンの内部
 石造りの丸屋根が見事だった
 立っている人物と比べると大きさがよくわかる


パンテオン見学の後は、近くの喫茶店(バール)で一休み。本場のエスプレッソは美味しかった。

 パンテオン前にある老舗バール、タッツア・ドーロ


 本場のエスプレッソを立ち飲み
 イタリアにいることを実感する瞬間だ


ツアーはその後、いくつかの建物を外から眺めながらローマの街を歩き、12時前に解散となった。
昼食は候補のレストランを日本で2軒ほどピックアップしておいたので、その店に向かった。しかし、夏のバカンスシーズンだったため、ピックアップしておいた店はどちらも休業だった。
そこで、スペイン広場近くの路地で営業していた雰囲気のよさそうな店に飛び込んだ。アマトリチャーナのパスタと子羊のロースト、トリッパ(牛の胃の煮込み)を注文したところ、いずれもとてもおいしかった。

 お目当ての店が休業だったので飛び込んだオステリア・アル31
 十分美味しかった


 リガトーニ・アマトリチャーナ
 ピリ辛のトマトソースがおいしかった


 ローマ名物、アバッキオ(子羊)のロースト
 羊肉好きにはたまらない料理だ



午後はまずスペイン広場を見学した。階段に腰掛け、行き交う観光客を眺めているのが楽しかった。次に訪れたトレビの泉は観光客でごった返していた。想像していたより大きな泉で迫力があった。

 観光客でにぎわうスペイン広場
 夏なので階段に座る人はみんな日陰を選んでいる


 トレビの泉も観光客でごった返していた
 コインの投げ入れは禁止されている


続いて、古代の遺跡であるフォノ・ロマーノとコロッセオを見学した。コロッセオはとても大きな遺跡で迫力はあったが、正直言えばそれほど魅力的な場所ではなかった。

 発掘中の遺跡も見学できるフォノ・ロマーノ
 考古学に対する興味より、暑さに負けて足早に通り抜けた


 ローマ屈指の名勝、コロッセオ
 ここも暑かった


コロッセオから真実の口で有名なサンタ・マリア・イン・コスメディン教会まで20分ほど歩いた。強い日差しと石畳の照り返しで、かなりの暑さだった。真実の口の前は口の手を入れて写真を撮ろうとする観光客で行列ができていた。

 真実の口
 嘘つきが口に手を入れると抜けなくなるという言い伝えはあまりにも有名
 観光客が列を作っていた


その後は路地裏を探索しながらローマの街歩きを楽しんだ。途中、ナヴォーナ広場の裏で台座に張り紙のある石像を見つけた。日本に帰ってから調べると、パスクイーノ(物言う像)だった。中世、権力者や教会の不正を告発する際、この像に風刺詩を張り出すと、またたく間にローマ中に知れ渡ったのだという。こうしたガイドブックにないものに出会えるのも路地裏歩きの面白さだ。

 ナヴォーナ広場の裏で偶然見つけたパスクイーノ(物言う像)
 今でいう2チャンネルのようなものだったのか??


最終的には、旧市街の北のはずれにあるポポロ広場まで歩いた。ポポロ広場の隣にあるピンチョの丘から眺める夕暮れのローマはきれいだった。

 ローマ旧市街の北のはずれにあるポポロ広場
 オベリスクに半分隠れてしまったが、正面に双子の教会が見える

 ポポロ広場脇のピンチョの丘から見たローマの夕暮れ
 遠くにバチカンのサン・ピエトロ大聖堂が見える


広場にあるカフェレストランでラザニアを食べ、地下鉄でホテルに戻った。
歩いた距離は15キロ近いと思えた。よく歩いた一日だった。

 ポポロ広場脇のカフェレストラン、カノーヴァで食べたラザニア
 チーズとパスタとミートソースのハーモニーが絶妙だった


 ローマの地下鉄
 乗り降りも分かりやすくて便利だった