2010年初夏　イタリア食べ歩き旅行記（６）

６日目

この日は終日ヴェネチアの街をのんびり観光した。朝ホテルを出て水上バス（ヴァポレット）に乗ってサンマルコ広場に向かった。ヴァポレットは移動手段としてだけではなく、水上からヴェネチアの景観を楽しむ観光手段としても価値のある乗り物だった。

　左：ヴァポレットのチケット売り場
　　　一回券だけでなく時間券もあるので
　　　観光に便利だ
　　　チケットは磁気式で、検札機に
　　　かざしてから乗船する

　右：ヴァポレットの内部
　　　船の中央に客室がある
　　　でも、この時期は船首と船尾の
　　　野外席の方が気持ちよい

　左：ヴァポレットからの風景(リアルト橋)
　右：ヴァポレットからの風景(アカデミア橋)
　　　船上から周囲を見ているだけで
　　　ヴェネチアを満喫できる


サンマルコ広場からは、トラゲット(渡しゴンドラ)を使って大運河対岸のサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会に渡った。トラゲットはわずか５０セントで利用することができる。安価でゴンドラに乗った気分を味わえるお得な移動手段だった。

　左：トラゲット乗り場
　　　大運河には橋がほとんど
　　　架かっていないので、
　　　所々にこうしたトラゲットが
　　　設けられている

　右：ゴンドラの様子
　　　運河を直線で渡るだけなので
　　　時間は一分くらいだが、それでも
　　　ゴンドラに乗った気分を味わえる


まずサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会を拝観し、その後税関の建物を改築してできた現代美術館の脇を抜けて水辺を散策した。

　サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会
　存在感のある美しい建物だった


途中、橋のたもとにあるバカーロ、ジャ・スキアーヴィ（gia Schiavi）に入った、白ワインを飲みながらチケッティをつまみ、朝食代わりとした。干しタラのほぐし身バッカラを使ったチケッティが特においしかった。

　左：ジャ・スキアーヴィ
　　　橋のたもとの建っている
　　　朝から地元の人たちで賑わっていた

　右：白ワインとバッカラのチケッティ
　　　干しタラをほぐして作った
　　　バッカラが美味しかった


その後は昼まで、特にあてもなくヴェネチアの街を散策して路地や運河の風景を楽しんだ。

昼食はオステリア・アル・ディアボロ・エ・ラックア・サンタ（al Diavolo e L’acqua santa）に行った。この店は食堂とバカーロの中間的な雰囲気だった。店内のテーブルに着席し、白のハウスワインとビゴリ(全粒粉を使ったヴェネチア地方独特のパスタ)、魚介のフライを注文した。ビゴリはアンチョビ風味のしっかりした味付けが太く素朴なパスタと良く合っていて美味しかった。

　ラックア・サンタの店頭
　細い路地に面した店だが人の出入りが多かった

　左：ビゴリ
　　　太い素朴な麺がアンチョビの味と
　　　良く合っていた

　右：魚介のフライ
　　　揚げたてにレモンをかけて頬張ると、
　　　口いっぱいに幸せが広がる


食後は食料品店で土産を物色した。
ド・モーリの近くにあるドロゲリア・マスカリ（DROGHERIA MASCARI）は香辛料や食料品の品揃えが良く、良質のバルサミコ酢を入手することができた。
イ・トゥレ・メルキャンティ（I TRE MERCANTI）はエリオ・レ・デル・トラメッツィーノの並びにある食料品店で、ワインの他に美味しいヌガーやチョコレートが手に入る。ここで買ったヌガーが絶品だった。

　左：ドロゲリア・マスカリ
　　　香辛料や食料品の品揃えが良い

　右：イ・トゥレ・メルキャンティ
　　　ワインの他に美味しいヌガーや
　　　チョコレートが手に入る


もう少しワインが飲みたくなったので、ド・モーリの近くにあった比較的新しそうなバカーロに入ってみた。オステリア・アラ・シウルマ（osteria alla ciurma）というその店は若い亭主が切り盛りしていた。黒板に書かれたワインの品揃えはなかなか本格的だった。簡単なつまみと赤のフラゴリーノを注文した。どちらも美味しかった。

　左：飛び込みで入ったアラ・シウリナ
　　　まだ新しそうな店だったが、
　　　ワインはしっかり揃っていた

　右：店内の様子
　　　若い亭主が切り盛りしていた


さらに街歩きを楽しみ、最後にド・モーリで白ワインを一杯飲んでいったん宿に戻った。

この日の夕食もアッレ・テスティエーレ。予約時刻は９時半だった。８時半過ぎにホテルを出てヴァポレットでサンマルコ広場まで移動した。船上からみるヴェネチアの夕景はとても美しかった。

　ヴァポレットから見たヴェネチアの夕景
　夕焼けの染まる建物が美しかった


　夕照の大運河
　偶然ゴンドラに明かりが灯った


この日のメニューは前菜に生ガキと生スカンピ(手長エビ)の盛り合わせとグランセオーラ（クモガニ）のサラダ、プリモに二枚貝のパスタ、セコントにマトウダイのグリル、そしてドルチェにティラミスを注文した。グランセオーラは濃厚な味が印象的だった。パスタの具はアサリより小ぶりな貝(名称不明)だった。この貝がとても旨味が強く、おいしいパスタに仕上がっていた。この日の白ワインもとても料理に合っていた。スタッフともすっかり打ち解け、楽しい時間を過ごすことができた。

　上左：生ガキと生スカンピの盛り合わせ
　　　　説明不要の美味しさ

　上右：グランセオーラ
　　　　ほぐし身と卵を混ぜてある
　　　　とても濃厚な味だった

　中左：貝のパスタ
　　　　小ぶりの貝から出る旨味が
　　　　皿全体にいきわたっていた

　中右：マトウダイのグリル
　　　　ケッパー風味のソースが
　　　　淡白な白身と良く合っていた

　下左：ティラミス
　　　　北イタリアを代表するドルチェだ

　下右：すっかり仲良くなったスタッフと記念撮影
　　　　この店には必ずまた食べにきたい