201１年秋　イタリア食い倒れ旅行記（７）

五日目（チンクエ・テッレその２）

リオ・マッジョーレからマナローラまでは１０分ほどだった。途中、愛の小道を歩く大勢の観光客の姿を海上から見ることができた。マナローラの集落はリオ・マッジョーレよりさらに一回り小さな規模だった。

　マナローラまで行く船上から見た愛の小道
　大勢の観光客が歩いていた


時刻は１２時近かったので、まず昼食をとることにした。ここでも候補のレストランを何軒か事前にピックアップしておいたので、それらの店を見てまわった。どの店もおいしそうだったので、メニューと雰囲気を頼りに半ば直感でイル・ポルティッチョーロ（il Porticciolo）に決めた。入店が早めだったのでテラスの席に座ることができた。

この日の昼食をとったイル・ポルティッチョーロ 　店内は明るい色彩で溢れていた

注文は軽めに、海の幸の盛り合わせとイカ墨のパスタ、マグロのグリルを一皿ずつ頼み二人でシェアした。どの料理も素材が新鮮で、特に前菜に出たイワシがおいしかった。食後はティラミスとミックスベリーのムースを食べ、最後にシャケトラも飲んだ。朝飲んだものと比べると、後味が少しさっぱりとしたシャケトラだった。

		前菜の盛り合わせ 　冷菜、温菜が二皿に分かれて出てきた 　イワシがとりわけおいしかった
		左：イカ墨のパスタ 　　　アサリとエビが乗った豪華なメニュー 　右：マグロのソテー 　　　地中海はマグロの本場だけにおいしかった
		左：ティラミス 　　　定番のおいしさだ 　右：ミックスベリーのムース 　　　酸味が効いたソースがおいしかった
		左：食中に飲んだ白ワイン「チンクエ・テッレ」 　　　さっぱりした味で料理が引き立った 　右：食後に飲んだシャケトラ 　　　ワインとは思えないほどの風味がある

昼休みのためか次の観光船は１５時近くまで運行されないので、時間はたっぷりあった。集落の一番高い場所に建っていた教会を訪ねたり、土産物屋を覗いたり、シャケトラ博物館を見学したりして時間を過ごした。シャケトラ博物館には期待していたのだが、一部屋だけのとてもシンプルな展示で、少し物足りない感じだった。

		左：高台から見たマナローラの集落 　　　どこか西伊豆を思い出す風景だった 　右：マナローラのメインストリート 　　　平地が少ないので船が道に置いてある
		左：土産物屋の店先 　　　小瓶に入ったリキュールなど、思わず欲しく 　　　なるものがたくさん売られていた 　右：シャケトラ博物館 　　　期待していたよりは展示が小規模だった

さらに、バールでコーヒーを飲んだりしてのんびりとした時間を過ごし、１５時前の船でヴェルナッツアに向かった。

　マナローラのバール
　時間があったのでコーヒーを飲んで一休み


　窓からは青い空と海が見えた


船からは山の上に広がるコルニリアの集落も見ることができた。ヴェルナッツアまでは２０分ほどの移動だった。

　港を出た船から見たマナローラの集落
　多くの乗船客がシャッターを切っていた

　船から見たコルニリアの集落


ヴェルナッツアはこれまでの二つの村と比べて規模が大きく、多くの観光客で賑わっていた。広くはないが砂浜もあり、１０月に入ったというのに多くの人が海水浴を楽しんでいた。この村でもエノテカを見てまわった。シャケトラ博物館に展示してあったものと同じシャケトラをみつけたのでこれを土産に購入した。

　ヴェルナッツアの集落
　これまでの集落より規模が大きかった


　ヴェルナッツアのメインストリート
　多くの観光客で賑わっていた


　砂浜で海水浴を楽しむ人たち
　1０月だというのにまだ大勢の人が海に入っていた


当初の予定ではこの村に１時間ほど滞在して、ここから列車で帰路に着くことにしていたが、できればモンテロッソ・アル・マーレにも行ってみたいと思い、予定を変更して３０分後の船でモンテロッソ・アル・マーレまで移動することにした。ヴェルナッツァからモンテロッソ・アル・マーレまでは１０分ほどだった。
モンテロッソ・アル・マーレは他の４つの村とは異なり、広い砂浜が広がる本格的なリゾート地だった。船着場から駅までは結構距離があった。息子はこの近くの町にいる友人を訪ねるとのことだったので駅で分かれた。
駅前のエノテカでもう一本シャケトラを買い足し、さらにこの地方特産のレモンリキュール、リモンチーノも土産に買った。朝と比べて荷物がかなり重たくなった。列車の到着時刻まで２０分ほどあったので、海辺のジェラート屋で冷たいジェラートを食べて過ごした。

　船から見たモンテロッソ・アル・マーレの集落
　船はこの集落にある港に着いたが、
　さらに左方向の鉄道駅方面に村は広がっていた

　船着き場から駅までの道
　港から浜辺の道を歩いて10分くらいかかった

　駅近くのエノテカ
　どの村のエノテカでもシャケトラが何種類か並んでいた

　モンテロッソ・アル・マーレの海岸
　ビーチパラソルが広がり、優雅なリゾート地になっていた


帰路も二回乗り換え、２時間半ほどかけてフィレンツェまで戻ってきた。１人だったので少し緊張した。フィレンツェに着いたのは夜の８時だった。

　帰路のピサ駅
　帰りも二回乗り換えてフィレンツェまで戻った

　帰りついたフィレンツェのS.M.N.広場
　すっかり夜になっていた

ホテルに荷物を置き、夕食をとりに街に出た。知らない店に１人で入るのは少々不安だったので、前回も行ったことがあるイ・ヴィナイーノ（i’Vinaino）に向かった。金曜の夜で街には多くの人が出ていた。
店はあいにく満席だったが１５分ほどで空きそうだということで、近くを散歩して時間をつぶした。店に戻り、さらに１０分ほど待って席に着くことができた。
この店自慢のソットーリト・デッラ・ノンナ（野菜のオイル漬け）を前菜に頼み、プリモにはこの店の名物メニューチンギアーレ（猪肉）のパスタ、セコントにトリッパの煮込みを注文した。どの料理も家庭的な優しい味付けでおいしかったが、さすがに１人では量が多くて食べきれず申し訳なかった。ハウスワインの赤もさっぱりした飲み心地でおいしかった。この夜はジェラートも入らないほど満腹だった。

		左：夕食をとったイ・ヴィニャイーノ 　　　家庭的な落ち着ける店だ 　右：自慢メニューの野菜のオイル漬け 　　　まさにおふくろの味だ
		左：猪肉のパスタ 　　　肉のコクが深くておいしかった 　右：トリッパの煮込み 　　　柔らかくておいしかったが、 　　　残念ながら食べきれなかった