12日目
フィレンツェからミラノへの移動日だ。
ミラノのホテルのチェックイン開始時刻の14時に合わせてミラノ中央駅に着く列車を選んだので、フィレンツェの出発時刻は12時だった。朝食後は10時30分のチェックアウト時刻まで宿の近くのメディチ家礼拝堂を見学したり周囲を散策したりして過ごした。メディチ家礼拝堂の貴石をふんだんに使った装飾やミケランジェロの彫刻がとても素晴らしかった。
朝一番でメディチ家礼拝堂を見学した
礼拝堂の入口目立たない入口だった
君主の礼拝堂
礼拝堂内部には歴代トスカーナ公の墓碑がある
貴石の装飾がとても素晴らしかった
天井画も見事だった
ジュリアーノ・デ・メディチ公の墓碑ミケランジェロの作品だ
こちらはロレンツォ・デ・メディチ公の墓碑
メディチ家礼拝堂に隣接するサン・ロレンツォ教会内部は礼拝中で入れなかった
チェックアウト後はサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に移動してフレッチャラウンジに出発時刻間際まで滞在した。イタリアの駅は出発直前にならないと列車が入線するホームの番号が表示されない。それでもたいていは10分前になれば表示されるのだがこの日は5分前になっても表示が出なかった。ラウンジのスタッフに確認するとまだ情報がないとのことだった。気を揉んでいると少ししてスタッフがホーム番号を教えに来てくれた。すぐに教えてもらったホームに向かって入線していた列車に乗車した。
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅のフレッチャクラブ
内部の様子出発間際までここで過ごした
ミラノまで乗車したのはイタリアの国営鉄道トレニタリアの高速列車フレッチャロッサのエグゼクティブクラスだ。ローマからフィレンツェまで乗車した最新鋭のフレッチャロッサ1000のエグゼクティブクラスと比べると車内のデザインはやや古かった。とは言え十分に快適だった。
フレッチャロッサローマから乗ってきたフレッチャロッサ1000の1世代前の車両だ
エグゼクティブクラスの室内フレッチャロッサ1000には劣るがそれでも十分快適だった
昼食は欲張って生ハムとチーズの前菜と鶏肉のメイン料理、デザートのフルーツサラダを頼んだ。おいしかったがどれも量が多かった。完食するのが大変だった。欲張って注文し過ぎたことを後悔した。
前菜の生ハムとチーズ
鶏胸肉の料理
フルーツポンチリンゴばかりだった
ミラノ中央駅には13時55分に着いた。宮殿を思わせるとても立派な駅だった。初めて見る妻はその大きさに驚いていた。
到着したミラノ中央駅とても大きな駅だった
ミラノではミラノ中央駅の目の前のHD8ホテルミラノを予約していた。駅前広場に面した道の反対側に建っていた。客室はこれまで宿泊した宿と比べると狭かったがミラノでは2泊しかしないので特に大きな問題ではなかった。
宿泊したHD8ホテルミラノ
ホテルの入口
ホテルから見たミラノ中央駅駅の目の前に建っていた
客室少し狭かったがそれほど気にならなかった
16時前にホテルを出て市内観光に出かけた。まずスフォルツェスコ城に向かった。スフォルツェスコ城まではメトロで10分ほどだった。場内にある博物館に入場してミケランジェロの遺作となったロンダーニのピエタ像を鑑賞した。独特な存在感のある彫刻だった。
スフォルツェスコ城ミラノ最大の歴史的建造物だ
城内は広場になっていた
城内にあるピエタ博物館
ロンダーニのピエタミケランジェロの遺作だ
館内の様子ロンダーニのピエタだけが展示されている
次にドゥオーモ広場へ向かった。ドゥオーモの屋上や堂内は明朝見学する予定だった。この日はドゥオーモの外観を写真に収めるだけにとどめた。隣接するガレリアや老舗百貨店のリナシェンテでウインドーショッピングを楽しんだ。フィレンツェも暑さが厳しかったがミラノはさらに暑かった。人気店のグロムでジェラートを食べたり屋内で過ごす時間を長くしたりして対処したが身体に堪える暑さだった。
ミラノのドゥオーモゴシック建築の傑作だ
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガレリア100年以上前に作られた巨大なアーケードだ
天井は全面ガラス張りだ
中央部の床面に描かれた牡牛のモザイク股間に踵を置いて回転すると幸運が訪れると言われている
グロムのジェラート濃厚でおいしかった
夕食はドゥオーモ近くのナポリピッツァの人気店、ジーノ・ソルビッロでとった。マルゲリータとツナサラダとババを注文した。どれもおいしかったが量が多かった。昼食も多かったので食べきれなかった。珍しく少し残してしまった。暑さのせいもあり気分が優れなかった。
夕食をとったジーノ・ソルビッロナポリピッツァの人気店だ
マルゲリータおいしかったがかなり大きかった
ツナサラダトマトがおいしかった
ババ20㎝近くあるビッグサイズだった
ホテルに戻る際にアクシデントに見舞われた。ドゥオーモ駅からメトロに乗ろうとドゥオーモ広場に向かったところ、大勢の警察官が規制線を張っていて広場が立ち入り禁止になっていた。付近にいた警察官にメトロに乗りたいと告げると隣のサン・バビラ駅まで歩くように指示された。しかたなく指示された駅まで10分ほど歩いた。
メトロに乗ろうと思ったらドゥオーモ広場が立ち入り禁止になっていた
隣のサン・バビラ駅まで歩かされたミラノは過去に2回ほど来たことがあったがサン・バビラ駅を利用したのは初めてだった。ドゥオーモ駅が使用できないためかなり混雑していた。
体調が万全ではなかったので早くホテルに戻りたかった。そのため普段なら用心してホームの出入口近くから離れた場所で車両に乗り込むのだが、ホームに着いた際にちょうど進入してきた電車に出入り口の目の前のドアから乗り込んでしまった。
車輛の奥に入ろうとしたが同時に乗り込んだ女性に進路を塞がれた。そして何か話しかけられた。聞き取れず聞き返したが要領を得なかった。数回問答を繰り返していると閉まりかけたドアからその女性が降りた。同時にバサッと音がした。足元を見ると僕の財布が落ちていた。スリだった。その女性に気を取られている隙に別の人物が僕の背後からズボンの前ポケットに手を入れて財布をすったのだ。
拾った財布を確認すると現金だけが抜かれていた。被害が現金30ユーロほどで済んだのが不幸中の幸いだった。ミラノは治安が良くないと聞いていたのに油断した僕のミスだった。翌日からは気を付けて行動しようと気を引き締めた。
