2024年初夏イタリア旅行記(15)

15日目

この日は終日ヴェネチア本島を観光する予定だった。
8時に宿を出てヴァポレットでリアルトまで移動した。リアルトに着いてまず近くの市場を見学した。魚市場では台の上に様々な種類の新鮮な魚介が並べられていた。

 朝のリアルト橋から見たカナル・グランデ


 野菜の露店
 新鮮な野菜が豊富に並んでいた


 こちらは魚介の露店
 ひっきりなしに買い物客が訪れていた


朝食はリアルト橋近くのお気に入りのカフェ、カフェ・デル・ドージェでとった。カプチーノもブリュオッシュもおいしかった。

 カフェ・デル・ドージェ
 珈琲豆の卸もしているカフェだ


 店内の様子


リアルトからサン・マルコまで徒歩で移動して鐘楼の最上部に登った。エレベーターで上がれたので楽だった。最上部からはヴェネチアが一望できた。天気が良くて最高の眺めだった。

 サン・マルコ寺院の鐘楼
 上部までエレベーターで上がれる


 上部から見た風景
 ヴェネチア本島の家並みが一望できる


 目前に見えるのはサン・マルコ寺院のクーポラだ


 サン・ジョルジョ・マッジョーレ島が正面に見えた


 サン・マルコ広場方向の眺望
 朝なので広場にはまだ人が少ない


次にサン・マルコ寺院の内部を見学した。鐘楼も寺院も時間指定のチケットを持っていたので行列に並ぶことなく入場できた。黄金のモザイクが一面に貼られた堂内や金銀宝石をちりばめたパラ・ドーロなどを見学して往時のヴェネチアの隆盛に思いを馳せた。

 サン・マルコ寺院


 正面にはヴェネチアの守護聖人のサン・マルコの像と
 ヴェネチアのシンボルである有翼のライオンが飾られている


 寺院の内部
 一面に黄金のモザイクが施された贅沢な空間だ


 パラ・ドーロ
 金と宝石で飾られている宝物だ


 2階から見た寺院の内部


 寺院の正面テラスから見たサン・マルコ広場
 ポールの上にも有翼のライオンが飾られている


 寺院の北側に建つ時計塔
 屋上にはムーア人の像が打って時を知らせる鐘がある


 寺院のテラスから海を望む
 往時はここに多くの商船の姿があったのだろう


サン・マルコ寺院の見学を終えると時刻は11時過ぎだった。その後はサン・モイゼ通りに立ち並ぶブランドショップを覗いたり路地歩きをしたりして楽しく過ごした。

 カーニバルの仮面を売る店
 2月の仮面カーニバルは世界的に有名な祭りだ


 教会前の広場
 観光スポットの喧騒から逃れてこうした場所で過ごすのも楽しい


 街中の至る所に運河が通っている
 ヴェネチアの重要な物流路だ


12時近くなったので昼食をとる予定のアル・ポルテゴに向かった。バーカロだがテーブルで食事することもできる店だ。地図を頼りに店を探した。それらしい店にたどり着いたが入り口に店名が書かれていなかった。外で飲んでいた客に店名を確認して入店した。時刻は11時50分だった。食事は12時からだと言われたのでイカのフリットをつまみに白ワインを飲みながら待った。12時過ぎに食事の注文を取りに来てくれたのでヴェネチアの郷土料理のビゴリ・イン・サルサを注文した。全粒粉で作った太麺のビゴリにイワシのソースを絡めた無骨だがとてもおいしい料理だ。落ち着ける店内で料理とワインを堪能した。

 アル・ポルテゴ
 地元民に人気のバーカロだ


 入り口のガラスケースにはおいしそうなチケッティが並んでいた


 イカのフリットと白ワイン
 どちらも止まらなくなるおいしさだった


 ビゴリ・イン・サルサ
 素朴だが抜群においしい郷土料理だ


店を出ると空模様が怪しくなってきた。午後はゴンドラに乗る予定だったが見合わせることにした。いったん宿に帰ろうと思いリアルトまで戻ってきた頃には雨が降り始めた。
16時にサン・マルコ寺院に隣接するドゥカーレ宮殿の見学を予約してあったので15時にホテルを出た。ヴァポレットでサン・マルコまで移動した。宿を出た時には本降りだった雨がサン・マルコに着く頃には小降りになっていた。
ヴェネチアを訪れるのは3回目だがドゥカーレ宮殿を見学するのは初めてだった。宮殿の建物に入ると装飾の豪華さに圧倒された。刀剣類を展示したスペースではアニメやゲームの世界でしか目にしたことがないような中世の武器の実物を見ることができた。そして極めつけは大評議の間に飾られた世界最大の油絵、ティンレット作の「天国」だった。その大きさと力強さに感動した。

 ドゥカーレ宮殿
 ヴェネチア共和国の行政庁だった建物だ


 宮殿の中庭


 内部の装飾は豪華絢爛だった


 武器博物館
 中正の武器が数多く展示されていた


 大評議の間


 ティンレット作「天国」
 世界最大の油絵だ


さらに別棟の牢獄も見学することができた。牢獄への往復は溜息橋を通った。小さく空いた窓からはサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会と溜息橋を撮影する大勢の観光客の姿が見えた。

 別棟の牢獄も見学できた


 溜息の橋の小窓から見た景色
 当時の罪人も同じ景色を見たのだろうか


 こちらは海側から見た溜息の橋


ドゥカーレ宮殿の見学を終えると18時だった。夕食の予約時刻まで1時間あった。商店街を散策したり広場で休んだりして時間を過ごした。19時少し前に予約してあるレストランに向かった。
この日の夕食は僕がヴェネチアで一番気に入っているレストラン、アッレ・テスティエッレでとった。12年ぶりの訪問だったがマネージャーのルカは僕のことを覚えていてくれた。前菜の盛り合わせとボンゴレのパスタを注文することはメニューを見る前から決めていた。それ以外に二皿注文しようと思いルカに相談した。ミニホタテの前菜と舌平目のソテーを頼むことにした。ワインもルカお勧めのワインを頼んだ。出てきた料理もワインもすべておいしかった。デザートのボネは甘さと苦さのバランスが素晴らしかった。妻はザバイヨーネのデザートがとても気に入ったようだった。上機嫌で店を出てリアルトまで歩きヴァポレットで宿に戻った。

 アッレ・テスティエッレ
 僕がヴェネチアで一番好きなレストランだ


 店内の様子
 20席ほどの小さな店だ


 前菜の盛り合わせ


 ミニホタテの前菜


 ボンゴレのパスタ
 この店のボンゴレは絶品だ


 舌平目のソテー


 ボネ
 チョコレート風味のプリンだ


 ザバイヨーネクリームのデザート
 妻が絶賛していた