ＮＺ２００５年釣行記（５）

４日目

　４日目の朝は下半身の違和感で目が覚めた。昨日の乗馬で日頃使っていない筋肉をたっぷりと使ったらしい。太股を中心に至る所の筋肉に張りを感じた。この日は自分たちだけで釣りをすることになっていたので、アクセスの楽な川に行くことにした。
　そこで、この日はＲ川の小さな支流に行くことにした。この沢は幅５メートルほどの小渓流で、簡単に入渓でき落差が少ないため遡上も容易である。
　橋のたもとに車を停め、まずＲ川本流の合流点付近に竿を出した。合流点のやや下流で４０センチほどのレインボートラウトを２匹キャッチすることができた。その後、魚を探しながら沢を遡行した。

　この日釣りをした小渓流の流れ

　この沢は浅い流れが続いているので魚の居る場所は自ずと限られてくる。そうした場所を中心に魚を探してサイトフィッシングを楽しむつもりだった。しばらく遡行すると最初の魚影が確認できた。しかし、この魚には接近しすぎたため竿を出す前に気付かれてしまった。
　最初に魚を見つけた地点の少し上流で対岸際に定位している魚を見つけた。とても浅い場所だったのでダブルニンフではなく、ドライフライにティペットを繋いでニンフを結んだドライドロッパーのシステムで狙うことした。この魚はニンフに一瞬反応したが口を使うまでには至らず、何回かキャストしているうちに深みに姿を消してしまった。
　もう少し遡行していくと、川の落ち込みの中央部に魚影が見えた。左右に少し動きながら盛んに餌を探しているようだ。Ｈ氏が下流側からダブルニンフのシステムで狙った。キャストする位置や流し方を変えて何回もトライしたが魚がフライを追う気配はなかった。
　そこで僕がドライドロッパーのシステムで狙うことにした。やや長めにキャストして上流側からナチュラルにフライを流した。ドライフライが魚の上を通過しようとしたとき、底にいた魚が急に浮上してきた。そしてあっさりとドライフライをくわえた。不意を突かれた感じだったが、右腕は自然に反応していた。針掛かりした魚は狭い川の中で懸命の抵抗を繰り返していた。小さい川だからと油断すれば石の下に潜られラインブレイクするおそれもある。魚を下流の障害物の少ない瀬に誘導した。あとは魚が少し疲れるまで焦らずにファイトするだけだった。ランディングできた魚は５０センチオーバーのレインボートラウトだった。自分で見つけた良型の魚をキャッチすることができて満足だった。

　障害物を避けて下流に魚を誘導する

　ドライでキャッチした良型のレインボートラウト

　リリースした魚は流れの緩い場所で一休み

　さらに遡行したところにある深いプールで底に定位している魚を見つけた。Ｈ氏がダブルニンフで狙ったが、ヒットさせる前に逃げられてしまった。この沢の魚は警戒心が強かった。
　そのプールの上は５０メートルほどにわたって落差のある落ち込みが続いていた。その上の瀬で魚を見つけた。水深がないのでダブルニンフのシステムは不向きであった。Ｈ氏は僕のロッドを使ってドライドロッパーのシステムで狙うことを選択した。この選択は正しかった。魚は流れてきたニンフに素直に反応した。掛かった魚は下流に向かって一気に走った。魚の勢いが強く止めきれない。Ｈ氏はロッドを高くキープして魚の後を追った。しかし、足の怪我の調子が思わしくないＨ氏は悪い足場に阻まれ思うように下流に向かえないでいた。このままではラインブレイクは必至だった。
　そこでＨ氏からロッドを預かり、僕が下流まで魚を追うことにした。魚は次々と落ち込みを超えて下っていった。ここでラインブレイクさせたらＨ氏に申し訳が立たない。懸命に魚の後を追った。魚は下流の大きなプールの底にへばりついて抵抗していた。ラインを短く巻き取ったところでＨ氏が追いついた。ロッドをＨ氏に返した。Ｈ氏はプールの底から魚を浮かせ的確にランディングした。この魚も５０センチオーバーのレインボートラウトだった。Ｈ氏も僕も満足だった。

　走られた末にやっとキャッチできた良型のレインボートラウト

　魚は上流から手前のプールまで駆け下った

　結局、この沢では６匹の魚を見つけ、このうち４匹を狙い２匹キャッチすることができた。自分たちだけで川を歩き、魚を見つけ、それを狙って釣りを組み立てる。こうした時間を過ごせたことがとても嬉しかった。
　昼食後はもう少し下流のＲ川本流で竿を出した。小雨が降り始めていたが釣りに影響はなかった。Ｈ氏は良型のブラウントラウトをキャッチした。僕は２匹のレインボートラウトとのファイトを楽しむことができた。

　Ｒ川本流の流れ
　岸よりの緩流帯が好ポイントとなる

　H氏がキャッチした色の濃いブラウントラウト


　このポイントでレインボートラウトを連続ヒットさせた

　この日のイブニングはキャナルの上にある湖に出かけた。ライズは見られたがフライに反応したのは小型の魚だけだった。あまけに食いが浅く、手元まで寄せられたのはＨ氏がフッキングした２０センチにも満たない１匹だけだった。
　

　イブニングの出かけたキャナル上流にある湖
　ライズは見られたが大物はヒットしなかった