５日目
この日はＲ川の上流部をボートで釣り下るラフティングの釣りを楽しんだ。
車の後ろにボートを載せたトレーラーを繋ぎ、Ｒ川上流のボートランチを目指した。車にはランスも同乗した。ボートを降ろした車を、ボートを揚陸する地点まで移動させる必要があるからだ。
車の後ろにボートを牽引してラフティングの釣りに向かうこの日は珍しくクッキーも釣りに同行した。クッキーはもう14歳になる。人間でいえば100歳近い高齢だ。昔は毎日のように釣りについてきたが、最近ではさすがにその体力は無いらしい。久しぶりにクッキーと釣りができて僕はとても嬉しかった。
ボートの上に乗るクッキー歳をとったがまだまだ元気だ
釣りを始める前にマリーと記念撮影彼と知り合ってもう15年になる
ボートで川を下りながら、良いポイントでボートを停めて釣りをした。最初のいくつかのポイントは不発だったが、少し下った辺りから魚の反応が良くなってきた。Ｒ川本流のしっかりした流れの中での魚とのファイトは、とてもスリリングで興奮した。
ボートで川を下ってポイントを釣っていく
ボートの上でファイトする流れが強いのでスリリングだ
本流育ちのレインボートラウトこの位の大きさがレギュラーサイズだ
午前中の釣り方はダブルニンフの釣りが中心だった。流れの底にいるトラウトをイメージしながらフライを魚に送り届けるように流すニンフの釣りは、想像力が掻き立てられて楽しいものだった。午前中だけで何匹ものコンディション抜群のトラウトをキャッチすることができた。
ボートを降りて釣るポイントもあるラフティングでなければ入れないポイントも多いので魚は素直だ
上の画像のファイトの相手このサイズが釣れれば申し分ない
午後はマリーの家の裏辺りを釣った。ボートを停めた対岸のサンドバーの上に2匹の魚がいるのをマリーがみつけ、これをサイトフィッシングで狙うことにした。1匹目は簡単にドライドロッパーシステムのドロッパーに反応してくれたが、2匹目はなかなか反応してくれなかった。そこでダブルニンフのシステムで狙ってみると1投目でアタリがあった。こうした釣り方の選択もこの日の釣りの面白さだった。この日も20匹近い魚をキャッチすることができた。
対岸のサンドバーこのポイントでは良い釣りができた
サンドバーの上にいたブラウントラウトドライドロッパーのシステムでキャッチした
ほぼ同じ場所にいたブラウントラウトこちらはダブルニンフのシステムに反応した
サンドバーの奥の流れにいたレインボートラウトマリーの指示でブラインドで流してヒットした
岸際の反転流こうした場所を見逃さずに魚を探してみる
上の反転流の下に定位していたレインボートラウト慎重にボートを寄せてドライドロッパーでキャッチした
立派な面構えだ釣りを終えて揚陸地点のＲ川にかかる橋までボートで下る時にちょっとしたトラブルに見舞われた。倒木が川の上を完全に塞いでいたのだ。先週まとまった雨が降ったのでその際に倒れたらしい。こういう時のために用意してある鋸を使ってマリーが障害となっている枝を一本ずつ切り離して取り除き、何とかボートを下流に通した。
「アマゾンのジャングルでも現地のガイドが同じことをやってたよ。ここはニュージーランドのジャングルだな」
そうマリーに言って二人で笑った。
川の両側から枝がせり出して通りにくい場所もあるこの位の通り難さはまだ序の口だった
川を塞いだ倒木を鋸で切るマリーアマゾンと同じ光景をニュージーランドで見ることになるとは思わなかった
この日のイブニングの釣りはマリーが同行してくれることになった。昨日紹介したポイントが不発だったことに責任を感じてくれたのかもしれない。初日にイブニングを楽しんだマリーの家の裏を流れるＲ川のポイントまで車で移動し、そこから川の中を上流に向かって150m程歩いた。そこはこれまで何回かイブニングの釣りをしたことがある倒木下のポイントだった。以前は倒木に葉が残っていたが今ではすっかり枯れ木になっていた。それでも相変らずライズの多いポイントだとマリーが教えてくれた。
その言葉通り、日が落ちるとすぐにライズが始まった。水面が光ってフライが見にくい場所もあったが、そうした時は方向と距離を合わせてキャストして、ライズがあった時に合わせを入れてみるようにした。フィッシングプレッシャーの低い場所なので魚はとても素直にフライに反応してくれた。ライズが終わるまでの30分ほどの間で8フック5キャッチという夢のような時間を過ごすことができた。
川の中を歩いてイブニングの釣り場に向かう帰りの事を考えると単独で行くのは避けたい釣り場だ
倒木の下でヒットした魚が一気に流れを下る暗くて様子が分かりにくいのでファイトには気を使う
良型のブラウントラウトこのサイズがドライフライに次々とヒットしてきた
流れの真ん中でジャンプして抵抗する全身をアドレナリンが駆け巡る
この日最後に釣れたブラウントラウト夢のような時間を過ごすことができた
