3日目(2)
ここで滞在したバイアフィッシングロッジを紹介しておく。海岸沿いに建つ2階建ての建物で客室や食堂はすべて2階にある。客室は2ベッドルームが6つ。エアコンは付いていないが天井扇が備わっていた。客室の外側と廊下側には網戸の付いた大きな窓が設けられているので窓を開けて天井扇を回していれば部屋が暑くて困ることはなかった。トイレとシャワーは共同。トイレは水洗式で、シャワーはお湯が出た。自家発電で電力が供給されているので冷蔵庫や製氷機があり冷たい飲み物がいつでも飲めた。Wi-Fiがない以外は日常生活には何の不便も感じなかった。衣類の洗濯は朝までにシャワールーム前の籠に入れておけば夕方には畳んでリビングの脇の棚に置いておいてくれた。
ロッジの桟橋
林を抜けてロッジに向かう
正面から見たバイアフィッシングロッジ
ダイニングルーム
壁にはゲストが釣った魚の写真が飾ってあった
廊下
廊下からは海が見える
ゲストルームエアコンはないが天井扇が付いている
両側に大きな窓があって風通しが良かった
バスタオルに花が添えてあった
トイレ水洗式だ
シャワールームちゃんとお湯が出る
キッチンおいしい料理をたくさん作ってくれた
部屋に荷物を置くとすぐに釣りの準備にとりかかった。今回はルアータックルがメインだがチャンスがあればフライで釣りたいと思いフライタックルも用意してきた。タックル構成は以下の通りである。ルアータックルはハードアクションのロッドをメインにオープンウォーターで釣りをする可能性も考えて長めのミディアムハードアクションのサブロッドを用意した。いずれもスピニングタックルだ。フライは9番ロッドに使い慣れたインターミディエートのラインを巻いたラージアーバーリールをセットした。
ルアータックル(メインロッド)
ロッド ：テイルウォーク NAMAZON S704H（Hアクション 7ft4in 4pc）
リール ：DAIWA LEGALIS LT 4000D-C
ライン ：PE4号
リーダー：フロロカーボン60lb 90cm
ルアータックル(サブロッド)
ロッド ：アングラーズリパブリック Shore Gun SFGS-80MH/P5（MHアクション 8ft 5pc）
リール ：DAIWA REVROS MX 3500
ライン ：PE3号
リーダー：フロロカーボン60lb 90cm
フライタックル
ロッド ：SAGE Launch 990-4（9ft 9# 4pc）
リール ：SAGE 1680
ライン ：インターミディエートグライン
リーダー：60lb150㎝ ナイロンリーダー
釣り支度は整ったさあ釣りに出発だ
15時過ぎにブルースと船着き場に向かった。ボートの出発準備はできていた。キャプテンが船上に待機していた。我々のボートのキャプテンは先ほどキンベから来たボートを操縦していたクリスだった。経験豊富なベテランガイドだ。キャプテンには二人ともパプアニューギニアで釣りをするのは初めてで、海で釣りをするより川でパプアンバスが釣りたいと思っていると伝えた。すると「最近雨が多くて川は濁っているところが多いけど、バスが釣りたいなら川に行こう」と返事があった。クリスはすぐにボートを走らせた。
ティアナが見送ってくれた釣りに使うボートは中央にクリスが座る操舵室があり、その前後の船首部と船尾部が釣り座になる。ボートを微速で前進させながら釣ることが多いので船首部の釣り座の方が釣りのアドバンテージがある。ブルースと話し合って釣り座は一日ずつ前と後ろを交代することにした。この日はブルースが船首部に僕が船尾部に陣取った。
ボートは中央に操舵室がある
ボートの上で記念撮影ブルースが快く撮影役を引き受けてくれた
ボートはロッジから西に進んでいった。20分ほどで目的の川の河口部に着いた。川幅20mほどの川だった。川の周囲は川岸まで鬱蒼としたジャングルになっていた。パプアニューギニアのジャングルを目のあたりにしてついにここまで来たんだと興奮を覚えた。ここに来られただけで幸せな気分だった。
西に進路をとった
ボートには冷水のタンクが積まれているマイボトルがあるとさらに便利だ
目指す川の河口に着いた河口から50ｍほど川の中に入った地点から釣り始めた。川の水は濁っていて水中の様子はわからなかった。ボートの魚探で水深を確認すると岸際でも3m以上あった。思っていた以上に深い川だった。しっかり沈むルアーが有効だろうと考えた。ボーマーのディープロングAをリーダーの先に付け岸際の障害物の際を狙った。
河口の少し上流から釣り上がって行く
岸際まで植物が密生しているここはまさに幼い頃に憧れたニューギニアのジャングルだ
ブルースの投げたルアーに最初のアタリがあった。魚の抵抗を凌ぎながら寄せてくると茶色い魚体が見えた。パプアンバスかと思ったが釣れたのはコッドだった。ブルースも僕もちょっとがっかりしたが初日に魚の顔を見ることができて安心した。
最初に魚をかけたのはブルースだったクリスがネットでランディングしてくれる
ブルースが釣ったコッド岸際の障害物の奥にキャストした僕のルアーに強いアタリがあった。ロッドを立てようとしたが魚の力の方が強かった。そのままドラグが引き出された。障害物に潜られてはいけない。ドラグを締めてもう一度ロッドをおこそうとした瞬間、ロッドから伝わってくる抵抗が消えた。ラインが切れていた。「アンラッキーだったな」とクリスが慰めてくれた。良型魚を取り逃がしたのも悔しかったが今回一番期待していたルアーを釣りを始めてすぐにロストしたことがとても残念だった。その後は二人ともアタリはなかった。川の状況はやはり厳しいようだった。17時30分ごろまで釣りをしてロッジに戻った。
僕は良型をラインブレイクしてしまったその後はアタリがなかった
17時30分まで釣りをしてロッジに戻った
あちこちで激しいスコールが降っていたロッジに戻りまずシャワーを浴びた。熱めのお湯のシャワーが心地よかった。着替えてロビーに行くとテーブルの上に前菜が用意されていた。クラッカーと春巻きだった。冷たいビールを飲みながら他のメンバーと今日の釣果などをおしゃべりした。マークに良型をかけたがラインブレイクしたことを話すと、パプアンバスはルアーを反転しながら喰ってそのまま障害物に戻っていく習性があるのでアタリがあった瞬間にしっかりこちら側を向かせなければ勝負にならないと教えてくれた。リーダーを長めにしてラインブレイクを防ぐこととドラグをできるだけ締めておくことをアドバイスしてくれた。
前菜のクラッカーと春巻
夕食の準備ができるまで一杯飲みながら談笑して過ごした
エクスポートビール軽くて飲みやすいビールだった
19時になると料理が運ばれてきた。大皿に盛られた料理を各自が取り分けてテーブルに着いて食事をするスタイルだった。この日のメニューは鶏手羽のココナッツカレーと豚肉とジャガイモのトマト煮だった。どちらもとてもおいしかった。さらにデザートにアイスクリームのバナナフリッター添えも出た。こんな辺境のロッジでアイスクリームが食べられるとは思っていなかったのでとても嬉しかった。
鶏手羽のココナッツカレー
豚肉とジャガイモのトマト煮
ライスおいしく炊けていた
自分で好きなだけ皿に盛って食べるスタイルだ
デザートにアイスクリームが出た夕食後はタックルを作り直して翌日からの釣りに備えた。リーダーをこれまでの90㎝ほどから150㎝に伸ばした。材質も使用経験のないフロロカーボンリーダーを準備してきていたが、使い慣れたナイロンリーダーに戻した。その後は特にすることもないので21時に就寝した。
