４日目（釣り２日目）
６時に目が覚めたので、朝食までロッジ前の桟橋でルアーを投げた。しかし、この日はガリエツの幼魚しか反応してこなかった。
この日は６名ずつ２台の大型ボートに分乗して釣りをすることになった。本来なら３人ずつ４チームに分かれて釣りをするはずだったのだが、ロッジの別棟に他の釣り客が来るため、ガイドとボートをそちらのグループに回すとのことだった。そのため我々の相手をするガイドとボートが減ってしまうのだ。海外の釣りでは当初の約束が覆ることはよくある。決定権があるのは相手なので、そのこと自体は承服せざるを得ない。しかし、６名１チームだと入れる釣り場が限られ、釣り場での行動の自由度が減るので、若干憂鬱な気分だった。体調も２日前の移動の疲れが出たのか、何となく身体が重たい感じで好調ではなかった。
ロッジの前で釣り支度を整える急ぐ必要はないと分かっていても気がはやる
８時にロッジを出て釣り場に向かった。最初に入ったのは昨日別のグループが釣りをしていた、二つの流れが合流する場所だった。ここは浅い瀬が広がっている場所なので、大人数で釣るのに適した場所だった。
上流の釣り場に向かう雲は多いが風がないので釣りやすそうだ
土手の上に現れたヒグマまだ成獣ではないようだ
ミキージャ狙いのマウスフライとサーモン狙いのストリーマーは不発だったが、ガリエツ狙いのビーズはこの日も好調だった。マウスフライの釣りは流し方やアクションの付け方等、釣り方そのものをまだよく掴めていなかった。昼前までこの瀬で釣りをしてガリエツを３０匹ほどキャッチした。魚は良く釣れるが、心の底からは楽しめなかった。
浅瀬で散らばって釣りを始めるこの釣り場は広範囲に移動できるので大人数でも釣りやすかった
メスのケタ（ドッグサーモン）をルアーでキャッチしたＵ氏
Ｓ氏がキャッチした良型魚を眺めるＥ氏とＵ氏釣りツアーならではの光景だ
この釣り場でもビーズでガリエツが良く釣れた昼前に移動し、岸際の中州で流れが二つに分かれている場所に入った。昼食を挟んで夕方近くまでこの場所で釣りをした。移動中、別のグループから話を聞くと、初日に入ったコーナーの釣り場でＨ氏が６８ｃｍのミキージャをキャッチしたそうだ。それを聞いて僕も良型のミキージャをキャッチしたい思いが強まった。
良型のミキージャをキャッチした瞬間のＨ氏（画像提供Ｈ氏）サーモン狙いのストリーマーにヒットしたそうだ
６８ｃｍのモンスターミキージャ（画像提供Ｈ氏）非の打ちどころのない魚だ
岸際の流れは水深がある程度あって底に水草が多かった。魚が好みそうな流れだった。最初にここを狙うことにした。水草の際にエッグを流すとガリエツが良く反応してくれた。
下流の岸寄りの瀬でドライフライの釣りにこだわって釣り続けていたＹ氏は５０ｃｍ近い美しいミキージャをキャッチして、とても嬉しそうだった。また僕と同じ場所でルアーを投げていたＵ氏はガルブッシャのメスをキャッチして満足そうだった。
中洲の岸際の流れ魚影は濃かった
美しいミキージャをキャッチしたＹ氏ドライにこだわってしっかり結果を出していた
ガルブッシャのメスをキャッチしたＵ氏自分で改良したルアーが効果を発揮していた
僕もビーズのシステムでガルブッシャのオスをかけたが、一気にラインを出されてブレイクしてしまった。ドライフライに変えてみても反応はあるがフッキンギには至らなかった。相変わらずガリエツは良く釣れるが、気持ちはどこかすっきりしなかった。
丸々と太ったガリエツこのサイズが一番よくファイトした
その後は下流に移動して二ヶ所で竿を出したが、どちらの釣り場も魚の反応は乏しかった。なんとなく不完全燃焼な気持ちを抱えてロッジに戻った。
岸から釣った釣り場手前は泥底で魚っ気がなかった
遠浅の砂地の釣り場ここは大場所過ぎて魚っ気を感じられなかった
夕食の食卓にはいつも大きなミキージャやガリエツが登場した。これらの魚をどうやって調達しているのかスタッフに聞くと、ロッジの前で釣っているとのことだった。一同驚いて、夕食後にその釣り方を見せてもらうことにした。
釣り方はロシアらしい豪快なものだった。餌はストッキングにイクラを詰めて直径３センチほどの団子状にしたものだった。これを針につけ、イクラの撒き餌で魚を寄せながら釣るのだ。撒くイクラの量も豪快だった。短時間で何匹ものミキージャを釣ってみせてくれた。僕も隣で真似をしてみたが、アタリはあるもののフッキングまでには至らなかった。簡単そうに見える釣りでもコツがあるのだと思った。
この日は体調が今一つだったので、念のため風邪薬を飲んで早めに就寝した。
ストッキングにイクラを詰めた餌一見するとトマトのようだ
イクラを撒き餌しながら釣る撒き方が何とも豪快だ
隣で真似して釣ってみたが釣れなかった簡単そうに見えて意外と難しかった
