５日目（釣り３日目）
この日も６時には自然に目が覚めた。就寝時の不調感はなく気分もすっきりしていた。すっかり恒例になった朝のルアー釣りでは、スプーンで２５ｃｍほどのミキージャと、スピナーで３５ｃｍほどの美しいガリエツが釣れた。
ミキージャロッジ前の桟橋からスプーンを投げてキャッチした
細長い体型の婚姻色の出たガリエツもしかすると降海しないタイプかもしれない
この日も当初の予定とは異なり、６人２チームで釣りをすることになった。前日は不満な気持ちがくすぶっていたが、この日はもう開き直った気分だった。
昨日と同じ６名で釣りに出発した。最初に昨日Ｈ氏が良型のミキージャを釣ったコーナーの釣り場に入った。まずビーズのシステムで探るとコンディションの良いガリエツがコンスタントに釣れてきた。出足は好調だった。ルアーを投げていたＵ氏も好調で６４ｃｍある堂々とした体躯のオスのガリエツをキャッチした。
この日も朝一番はコーナーのポイントで釣った
オスのガリエツこの釣り場は水深があるので魚の抵抗も強めだ
Ｕ氏がキャッチした６４ｃｍのガリエツ見事な魚だった
上流部で釣りをしていたＥ氏がサーモンの溜まっているポイントがあると教えてくれたので、そこでＥ氏と並んで竿を出した。サーモンの釣り方は今までちゃんと習った事がなく自己流だった。ちょうど良い機会だったのでＥ氏に釣り方のレクチャーを受けながらチャレンジした。するとすぐにオスのガルブッシャがヒットした。教えられた釣り方ですぐに結果が出て、少し自信が持てた。
Ｅ氏がキャッチしたメスのガルブッシャ
同じ場所で直後に僕がキャッチしたオスのガルブッシャ活性の高い群が入ってくると立て続けに釣れる
１時間ほどこのポイントで釣りをして、少し上流の中州に移動した。ここは初日の夕方に良い釣りをした場所だった。前回反応が良かった瀬でビーズを流すとガリエツが次から次へとヒットしてきた。ただやみくもに流すのではなく水中のガリエツを見つけ、その魚を狙ってサイトフィッシングで釣るのがとても面白かった。良型のミキージャを釣りたい気持ちは常に心の片隅にあったが、目の前のターゲットに集中して釣りを心の底から楽しんだ。瀬の釣りで４０ｃｍクラスが次々と釣れてくる状況は日本では起こり得ない事だ。他の国でもこんなことは稀だろう。カムチャッカの自然の豊かさと、ガリエツの遡上の最盛期に居合わせた幸運に感謝しながら釣り続けた。
瀬では次から次へとガリエツがヒットする釣りが楽しくて仕方なかった
釣れてくるのは良いサイズばかりだ
みんなで並んで釣りを楽しむ通りかかった別のグループに江戸前のハゼ釣りみたいだと笑われた
同行者にもビーズの釣りの面白さが伝わったのか、同じシステムで釣りをする者が出始めた。みな反応が良いことに驚きながらガリエツとのファイトを楽しんでいた。Ｅ氏はテンカラのシステムでビーズを流し、次々とガリエツをかけて嬉しそうにファイトしていた。
テンカラで釣りを楽しむＥ氏
ビーズの釣りの面白さに開眼したＴ氏みんな笑顔で釣っていた
昼食後は下流部の新しい釣り場に入った。釣り始めてすぐにＵ氏がオスのケタ（ドッグサーモン）をキャッチした。それを見て僕もサーモンを狙うことにした。ここでもＥ氏に釣り方を習いながらキャストを繰り返した。弱いアタリがあり、寄せてくると３０ｃｍほどのガリエツがフックを咥えていた。どんな釣り方でもガリエツを釣るんなぁだと、同行者に笑われてしまった。結局サーモンは釣れなかったが、サーモンの釣り方はだいぶ分かってきた。
良型魚とファイトするＵ氏
キャッチしたのはオスのケタだった夕方は初日の昼に入った上流部の中州で竿を出した。魚の着き場は把握していたので魚影の濃い場所を選び、ビーズのシステムで気持ち良く魚をかけ続けた。良型のガリエツが次々と反応してくれることが楽しくて何匹釣っても釣り飽きることはなかった。
水中撮影したガリエツ日が傾いてライズが増えてきたので、ドライの釣りも楽しんだ。この川でのドライフライの流し方やスイングでの魚の誘い方もかなり分かってきた。この日は十分満足して釣りを終えることができた。
５０ｃｍオーバーのガリエツをキャッチしたＥ氏Ｅ氏はこの魚をテンカラ竿で釣りあげた
ロッジの戻る途中で川に入って餌を撮っているヒグマを目撃した。通り過ぎた後でガイドが気をきかせて再接近してくれた。
ヒグマは通り過ぎた時は動じずにこちらを見ていたが、再び近づいていくと水から上がって森の中に消えていった。
ロッジに帰る途中で目撃したヒグマ川に入って餌をとっていた
我々が近づくと陸に上がって走り去っていった夕食後ロッジの前でスピナーを投げて３５ｃｍのミキージャをキャッチした。比較的まともなサイズのミキージャが釣れて嬉しかったが、フライで釣っていないことに不全感を覚えた。明日はこれを超えるサイズをフライでキャッチしてやるぞと決意した。
スピナーで釣ったミキージャフライでこれ以上のサイズが釣りたいと思った
白斑のはっきりした幼魚クンジャ（アメマス）の幼魚とも思えるが確証はない
