5日目
早朝4時に目が覚めたのでテントの外に出てみると、満天の星空だった。しばらく見ていると流れ星が飛んだ。思わず「パーチ、パーチ、パーチ」と願った。
夜中に目を覚ますと満天の星がとても綺麗だった5時45分にレストランがオープンするとと同時に朝食をとった。ランチパックの中身を確認してバナナをテントに残し、6時20分にデニスが運転する車に乗って船着き場に向かった。この日のボスコとの待ち合わせは6時半だった。
まだ暗い道をボート乗り場へ急ぐ薄暗い中で準備を進め、すぐにボートを上流目指して出発させた。赤道直下とは言え、夜明けの川を全速で走るボートの上はかなり風が冷たい。レインジャケットを羽織って風よけにした。この日は穏やかな晴天だった。朝日の中のマーチソン滝が美しかった。
朝焼けの川面を進んでいく
操船中のボスコ3日目になるとすっかり気心も知れてきた
川面に岸辺の風景が写る
朝日の中のマーチソン滝毎日いろいろな表情を見せてくれた
最初に竿を出したのは、昨日ナイルパーチを釣り逃がしたポイントだった。今日こそはキャッチするぞと意気込んだ。
昨日と同じポイントから釣りをスタートした最初のアタリと2回目のアタリはフッキングが決まらなかった。僕もボスコも少し気が早っているようだった。3回目のアタリはじっくり待って合わせた。今度はしっかりした手応えが返ってきた。かかった魚はラインを引き出しながらゆっくり走り始めた。その様子を見てボスコがボートのアンカーを上げた。その動作から、かかった魚はナイルパーチだろうと思った。昨日と同じ轍は踏むまい。そう思いながらリールを速めに巻いた。この日もラインに絡まる水草が多かったが、ボスコが早め早めに処理してくれたのでラインの巻取りはスムーズにできた。やがてボート際で魚が水面に躍り出た。昨日の魚ほどではないが良型のナイルパーチだった。ボスコがボートを下流の急瀬に入れないよう懸命に操船した。魚は何度もラインを引き出して抵抗したが、ロッドワークでそれを食い止め、ポンピングで距離を詰めた。ボート際まで寄ってきたところでボスコが口を両手でつかんでボートの上に引き摺り上げてくれた。大きな魚体がボートの後部に収まった。昨日のリベンジを果たせたと思い安堵した。
ボートの後部に横たわったナイルパーチやっとのことでキャッチすることができた
ボートを岸に寄せてまず魚のサイズを測り、それから膝の上に魚を置いて写真を撮った。体長は123㎝あった。今回の釣りの目標は達成できた。嬉しさよりどちらかという肩の荷が下りた気持だった。写真撮影を終えた魚はボスコが時間をかけて体力を回復させてからリリースした。ナイルパーチがキャッチできてボスコも安心したような表情だった。
膝にのせて記念撮影夢にまで見た嬉しい瞬間だ
ナイルパーチの全身123㎝あった
ボスコが時間をかけてリリースした同じポイントで釣りを始めるとすぐに次のアタリがあった、今度はメーターオーバーのスーダンキャットフィッシュだった。この川にはスーダンキャットフィッシュもいて、どちらかというとそちらの方がよく釣れるようだが、僕にはスーダンキャットフィッシュばかり釣れてきた。
同じポイントで釣れたスーダンキャットフィッシュ
とても良い表情の面構えだその後は前日までと同じように川を下りながら竿を出していった。次に入ったポイントでは、弱ってしまった餌のアワカを川に戻すと、それを川岸の木にとまって見ていたアフリカンフィッシュイーグルがやってきて、魚を両足で掴んで飛び去っていった。なかなか見ることができない捕食シーンを見ることができてラッキーだった。昼頃にはもう少し下流でスーダンキャットフィッシュをキャッチできた。
下流のポイントでアタリを待つボスコアタリはあったがフッキングには至らなかった
アフリカンフィッシュイーグル川辺の大木の梢によくとまっていた
アフリカンフィッシュイーグルが魚をキャッチした瞬間餌にしていたアワカを川に戻したのを見逃さずさらっていった
この日2匹目のスーダンキャットフィッシュ
正面から見た表情も良い前日に用意しておいた餌のアワカは午前中で使い切ってしまった。午後になってまずアワカを釣った。この日はフライで釣ってみた。エッグフライを改変したコーンフライを使ったところ、コーンを使った時と変わらない反応が得られた。ボスコが興味深そうに僕がフライで釣るのを眺めていた。
この日はフライロッドでアワカを釣った午後は魚の反応が薄かった。その代わり、この日は水辺に多くの動物が姿を見せてくれた。キリンやゾウにかなり近づいて写真を撮ることができた。（動画はこちらから））
水辺に現れたキリンじっとこちらを見ていた。
静かに近づいてツーショット撮影撮り終わるのを待ってくれたかのように森へ消えていった
川から見ると空がとても広かった
一匹で水辺に佇んでいたゾウかなり接近しても逃げなかった
15時頃に流れが速まって瀬ができているポイントに入った。ここではタイガーフィッシュが餌となる小魚を追ってボイルが起きていた。このあたりのナイル川には体長4､50㎝ほどの小型のタイガーフィッシュが生息している。ただ、狙えるポイントはごく限られ、ここがベストのポイントだとボスコに教えられた。
タイガーフィッシュはスピナーへの反応が良いと言われたので、まずスピナーを投げた。しかしボイルまで距離があり届かなかった。そこでスプーンを投げたところ1投目から反応があった。数投すると魚の手応えが感じられた。リールを巻くと魚の抵抗が伝わってきた。それほど大きな魚ではないようだった。ボート際まで寄せるとドラードを少し細くしたような40㎝ほどの黄色い魚体が見えた。間違いなくタイガーフィッシュだった。ネットがないのでそのまま引き抜こうとした瞬間、フックが外れてしまった。針掛りが浅かったようだ。魚の姿を見た後のバラシだったのでとても悔しかった。しばらくこのポイントで粘ったが、結局キャッチすることはできなかった。
タイガーフィッシュのボイルが見られたポイントフッキングしたが残念ながらボート際でフックが外れてしまった
その後、釣り下りながらナイルパーチを狙ったがアタリはなかった。この日も17時過ぎからは翌日に備えてアワカ釣りをした。コーンフライが絶好調だった。18時過ぎにロッジの桟橋で降ろしてもらった。
川から見たマーチソンリバーロッジ
夕方もフライで明日の餌に使うアワカを釣った
コーンフライをしっかり咥えていた
釣りを終えてロッジに戻る良い釣りができた一日だった
夕食後、ロッジの庭でダンスパーティーがあるというので見学に行った。宿泊客に見せるためのダンスというより、従業員やその仲間たちが自分たちのために楽しそうに踊っていた。アフリカのパワーを感じる躍動的で官能的な演奏と歌と踊りだった。(動画はこちらから））
踊りながら歌う女性たち
楽器を奏でながら歌う男性たち躍動的で官能的な歌と踊りだった
