8日目午後
午後は右岸のいつものワンドで釣りをした。立て続けに92㎝と75㎝のスーダンキャットフィッシュをキャッチすることができた。その後アタリが出なくなったので同じ右岸側の少し下流のワンドに移動した。
僕のお気に入りの右岸のワンドに向かう
活き餌の入った樽移動時はボートに上げておく
餌の付け方フックを顎に通してストッパーで抜けないように留め
アシストのトレブルフックを尾鰭の前に刺し止める
20mほど上流でワニがこちらの様子をうかがっている
この日もスーダンスクイーカーが入れ食いだった川底にいくらでもいるようだ
午後初めてのアタリだ慎重にやり取りする
92㎝のスーダンキャットフィッシュ
よく見るとかわいらしい表情をしている
2匹目はやや小ぶりだったここは初めて釣りをするポイントだった。仕掛けを投入して15分くらいした時、いきなりラインが引き出された。合わせると魚がボートに向かって走り始めた。急いでラインを巻きとるとラインの先に銀色の魚体が見えた。それほど大きくないナイルパーチだった。ボート際で少し抵抗したが比較的楽にキャッチすることができた。94㎝、16.4㎏と1mには及ばなかったが美しい魚体のナイルパーチだった。とても楽しい時間が流れていた。
一つ下のワンドに移動する
フィッシュチップス食べ始めると止まらないおいしさだった
94㎝のナイルパーチ
銀色に輝く魚体が美しいだが、この後僕の海外釣行史上最悪の事件を起こしてしまった。このナイルパーチをリリースしようとした時、魚の口からなかなか外れないボガーを何とかしようとボートから身を乗り出した瞬間、またしてもデジカメを川に落としてしまったのだ。悪いことにここは先ほどデジカメを落としたの場所より水深があった。加えてワニが近くにいる場所なので川に入って探すことは不可能だった。己の愚かさを痛感して頭を抱えた。スタンレーは確信があったわけではないだろうが、心配するな、俺が探してやるからと慰めてくれた。
頭を抱えて嘆いていても埒が明かない。何か良い方法はないか頭をひねった。幸い川底は砂泥だった。大きなフックで川底を探ればデジカメのストラップを引っ掛けることができるのではないかと閃いた。さっそく仕掛け作りを始めた。ルアータックルのリーダーに中通し錘を通してその先に一番重たいスプーンを結び、スプーンの前後に手持ちのトレブルフックのうち一番大きなフックを取り付けた。この仕掛けを2セット作り、二人で川底を探った。水深があると言っても流れが強い場所ではない。遠くまで流されてしまった可能性は低い。ボートの近くを丹念に探った。
5分くらい続けたが手応えは何もなかった。長期戦を覚悟した。場合によっては明日もここにきて探そうと思った。そんな時、横にいたスタンレーが歓声を上げた。巻き上げたラインの先に見慣れたデジカメがぶら下がっていた。僕も思わず大声を上げた。二人抱き合って喜んだ。この後このデジカメは大事にバッグにしまい込んで保管した。
スタンレーが川に落としたデジカメを釣り上げてくれた彼が神様に見えた
お祝いしようとスタンレーに提案した。スタンレーが仲間のボートに連絡してビールを配達してもらい船上で二人で乾杯した。普段は苦くてあまり好きではないナイルビールがこの時はとてもおいしかった。
ボートの上でビールで乾杯ガイドは仕事中は飲んではいけないので形だけ付き合ってくれた
ナイルビールは少し苦いがこの日はその苦さがとてもおいしかった無事にデジカメが戻ってきて緊張の糸が解れた。この後はのんびりと残りの時間を楽しんだ。正直、釣果はもうあまり気にしていなかった。アタリを待つ間は周囲の風景や生き物を撮影したりして過ごした。17時過ぎに下流のポイントで64㎝のスーダンキャットフィッシュをキャッチした。この後さらに下流のポイントで2度ほどアタリがあったがフッキングには至らなかったので、この魚が今回の釣行のラストフィッシュとなった。18時40分に釣りを終えた。船着き場でボートを降りる前にスタンレーときつく抱き合って感謝を伝えた。デジカメを回収してくれたお礼の意味も込めてチップをたくさん渡した。彼もとても喜んでくれた。
下流のポイントに移動する
川岸にボートを留めてアタリを待つ
近くの木の枝にカイト（トビ）がたくさんとまっていた
64㎝のスーダンキャットフィッシュこの魚が今回の釣行のラストフィッシュとなった
橋に近い最後のポイントで竿を出す
カバがこちらを気にしていた
もうすぐ日没だ
気付くと背後の川岸にバブーンの群れがいた
生まれたての子どもも混じっていた
釣りを終えて船着き場に戻る
スタンレーとの別れの時彼にはたくさん助けてもらった
ロッジに戻る前にナイル川に架かる橋に立ち寄り日没を眺めた。夕陽で赤く染まったナイル川が美しかった。この日の夕食は宿泊客が少なかったせいかビュッフェではなくコース料理だった。メインのラム肉を食べながら飲んだクラブビールがとてもおいしく感じられた。
夕日でナイル川が赤く染まる
ジャングルに沈む夕日
この日の夕食はコースディナーだったよく冷えたビールがとてもおいしかった
